DREAM26 キルト作家 牟田 佐千子(むた さちこ)さん
ページ番号1009514 更新日 令和3年12月24日
キルトをもっと芸術に
キルト教室「キルトスペース聚(しゅう)」を営みながら、キルト作家として活動している牟田さん。1万枚以上の小切れをつなぎ合わせて制作される圧巻のモザイクアートは、その緻密さと美しさで見る人を魅了します。
教室主催の作品展や全国での個展など精力的に活動する牟田さんに、キルトに対する熱い思いや夢について聞きました。
キルトとの出会い
キルトを本格的に始めたのは結婚してからですね。最初は、端切れを捨てるのがもったいないと思って始めたんです。
それから趣味で縫ってはいたのですが、ある日、キルターの第一人者である野原(のはら)チャックさんの教室が福岡で開催されると聞き、その最初の生徒として参加したんです。それから、本格的にやるようになりました。
キルト作品には一般的には木綿が多いのですが、私は人と違うことをしたいなと思い、絹でキルトを始めました。
私の実家は製糸業だったんです。幼少期からいろんな布に触れる環境でしたが、絹に対して何か感じるものがあったのでしょうね。
キルトで表現できること
日本中探しても、私くらいしかいないんじゃないですかね。2000年に夢だったキルトの作品集を出版して、次は何をしようかと考えていた時に制作を思いつきました。
最初は、美空(みそら)ひばりさんをモデルに作りました。縦2.5m、横2mほどの大きさで、2.2cm四方の布を一枚一枚縫っていきました。制作に2年ほどかかりましたが、そこから火が付きましたね。
その後、次は1.5cm四方で石原裕次郎(いしはら ゆうじろう)さんやオバマ元大統領、最近では大谷翔平(おおたに しょうへい)さんを作りました。大変な作業ですし、大谷さんが最後かな。
この作品たちは、協力してくれる人がいるからできたことです。1人では絶対にできない。本当に感謝しています。
生徒には、いつも「自分だけの作品を作りなさい、世界で一つだけの作品を作りなさい」と伝えています。
キルトにはバッグなどを作るセット物があって、それを教えるだけだとすごく簡単なんです。同じ教え方でいいから。でも私の生徒たちはみんな違う。人によって感性は違いますし、芸術は自分を表現できる場ですから。私の教室では、同じ作品を作っている人は、まずいないです。
80歳を過ぎて通い始めた人もいます。パッチワークは女性がするものというイメージがあるかもしれませんが、男性の生徒もいます。
遠方から来ている生徒もいますよ。別府市など県外から来ている人もいますね。
やりたいことに、年齢は関係ない
キルトは、昔から受け継がれてきた、本来は日常生活に密着してきたものなんです。バッグだとか、寝具とか。
でも、私はその枠を飛び出したい。アート作品を作るということではなく、キルトそのものが芸術的に認められるようにしていきたいですね。
私は作品を出して賞をもらいたいとかはないんです。もちろん、私も作るからには作品を見て欲しいという気持ちはありますが、私の作品を見てくれた人が評価してくれたら、それだけでうれしいですね。
あとは、筑前町の施設に講師として35年以上行っているんですが、その施設の館長から感謝状をもらったり、チャリティーとして作品の売り上げを福岡市立こども病院に全額寄付した時に施設に名前を刻印してもらったりと、それだけで十分です。
生徒のみんなに、いい作品を作ってほしいですね。もちろん私もそうですが。
でも、私はキルトだけにこだわっているわけではないんです。60歳の時に、このままキルトだけで終わりたくないと思い、本格的に食用ドレッシング作りを始めました。もともとは家庭用に作っていたのですが、商品化した今では月に800本注文されるほど人気の品になりました。それから、65歳から茶器を包む「仕覆(しふく)」の勉強もしているのですが、もう少し極めたいですね。茶道をする人は知ってると思いますが、とても美しいんです。
やりたいことは、年齢に関係なくいつでも、いくらでもできる。遅いことなんてない。これだけは、伝えたいですね。もう歳だからと諦めるのは、絶対にやめた方がいい。
何かやりたいことがあれば、とりあえずやってみる。まずは一歩踏み出すこと。一歩がきついなら半歩でもいい。そしたら前に進みます。
大事なのは、やる気です。夢が夢で終わることもあるかもしれないけど、それでも夢は持っていてほしいですね。
プロフィール
牟田 佐千子(むた さちこ)
春日市在住。昭和22年生まれ。2021年は「ReBOOT Ko.Gi.Re(リブートコギレ)」と銘打ち、東京を含む全国3カ所で個展を開催し、来場者に感動と驚嘆を届けた。
夢サポート
福岡県営春日公園
30ヘクタールを誇り、広く市民に親しまれている牟田さんお気に入りの総合公園。
桜やイチョウ、カエデなどに彩られる四季折々の風景は、牟田さんの創作意欲を刺激しているようです。
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