DREAM8　春日・大野城・那珂川消防署消防隊員　吉原　綾音（よしはら　あやね）さん

夢はゴールではなく通過点

消防本部に入庁して2年目の吉原綾音さん。主に春日市と那珂川市を管轄する北出張所で、日々私たちの安全を守っています。限られた人数の中で業務は多岐にわたり、火災や救急現場への出動だけでなく、建物の安全点検などの予防業務にも取り組んでいます。春日・大野城・那珂川消防組合消防本部でも209人中7人と、全国的にもまだまだ数少ない女性消防吏員。この職業を選んだ理由や、今後の夢について聞きました。

人の命と向き合う仕事

心臓が止まっている人の人命救助現場に、救急隊と連携出動したときです。心停止のままだったため、救命率を少しでも上げるよう、病院への搬送中も心臓マッサージを続け、医師に引き継ぎました。

後日、その人が息を吹き返し、さらに社会復帰できたと聞いたときには、心からうれしかったですし、消防隊員になってよかったと実感しましたね。

女性の私にできること

やはり、体力や筋力の部分ではどうしても男性には勝てないこと、ですかね。それでも、消防隊員として働くためには、「女性だからできない」は通用しないと私は思っています。火災や救急現場では、20㎏程の重たい装備を身に付けて出動し、さらに人を担ぐような場面もあるため、普段から体力・筋力トレーニングを欠かさず、少しでも先輩との差を埋められるよう努力しています。頑張る気持ちさえあれば、男性と互角の体力・筋力が身に付くということを、私が身をもって証明したいですね。

ただ、私は背が低いので、どうしても高い場所には手が届かないのですが、そういう難しい状況では、周りの隊員がしっかりとサポートしてくれます。

逆に、現場で女性や子どもと接する場面では、女性隊員の強みを生かせると思っています。例えば、女性特有の病気や処置は、同じ女性である私が行った方が、相手も安心して任せられるんじゃないかな、と。

やりたいことがたくさんあった学生時代

すごく単純なんですが、中学生のときに職場体験で消防学校に行ったんです。そこで、女性隊員が訓練している姿を見て、純粋にかっこいいなって思って。憧れました。

実は、高校2年生くらいまでは、小学生の時から続けていたソフトボールの選手になりたいと思っていました。他にも、お菓子作りが好きで、学生時代はチーズケーキ屋さんでずっとアルバイトをしていました。なので、パティシエにも憧れていましたね。

ですが、高校3年生で進路を真剣に考えたとき、職場体験で見た女性隊員を思い出したんです。体を動かすことが好きだし、人の役に立つ仕事がしたいなと思っていたので、消防士になりたいなって。どの職業を選ぼうかと考えたときに、「趣味」としてはできないことを仕事に選びたいと思って、消防士を目指すことにしました。

正直、勉強はかなり大変でした。学生時代は部活中心の生活で、あまり勉強してこなかったので、このときばかりは少し後悔しましたね（笑）。

先輩を超えられるように

同じ職場で働く女性の先輩が、子育てをしながら24時間勤務をこなし、消防車などを運転する機関員や隊員に指示を出す小隊長を務めるなど、幅広い分野で活躍しています。もっと成長して、その人を超えられるような存在になりたいと思っています。
 

夢は叶えたら終わりではない

夢や目標を持ち、それに向かって頑張っていること自体が、本当に素晴らしいことだと思います。もちろん壁にぶつかったりきついことがあったりもするとは思いますが、努力して乗り越えた先には、笑える未来がきっと待っているはずです。私も、夢を叶えても叶えられなくても、その夢をゴールではなく通過点として捉え、そこで終わりではなく、どんどん新しい夢を見つけて、ポジティブに成長していきたいと思います。

プロフィール

春日・大野城・那珂川消防組合消防本部で、1年11カ月勤務（令和2年3月1日現在）。現在は、北出張所に勤務し、現場への出動から予防業務までこなす。

夢サポート

「市民の生命・身体・財産を守る」 一緒に働く仲間を待っています。

春日・大野城・那珂川消防組合消防本部は、災害現場活動や消防用設備などの検査、市民への防災・救急指導など、さまざまな業務を行います。育休制度や施設、支援環境も整っているので、女性にとっても働きやすい職場です。人の役に立つ仕事がしたい人、ぜひ一緒に働きませんか。

問い合わせ先

春日・大野城・那珂川消防組合　消防本部総務課

電話：092-584-1192

ファクス：092-584-1194