DREAM13 前市教育委員会教育長 山本 直俊(やまもと なおとし)さん

ページ番号1006809  更新日 令和2年6月25日

人との出会いは人生の宝

教師や福岡県教育委員会職員として約40年間、春日市教育委員会教育長として15年間教育に携わった山本さん。教師を目指したきっかけや山本さんが思う学校の在り方とは。退任して思うことや、将来を担う小・中学生へのメッセージを聞きました。

写真:紹介
取材時の山本さん

人生を決めた恩師との出会い

教師になろうと思ったきっかけは

教師になりたいと思い始めたのは、小学6年生の時です。当時は、宿直と呼ばれる当番があり、先生が交替で学校に宿泊して学校の管理をしていました。その宿直室に呼ばれて友人らと一緒に泊まりに行ったり、休日には先生の家に遊びに行ったりしていました。その頃から、先生と一緒に過ごすのは楽しいなと思っていたのを覚えています。また、先生に褒められたこともきっかけの一つです。小学1年生の時に、遠足で山登りに行ってみんなで詩を作ったのですが、後日、それが講堂で発表されました。あの時は嬉しかったですね。その時の詩を今でも覚えています。「みんなで登ろうワッショイショイ」。

教師を目指す人の中には、私のように恩師の存在が大きかった人も多いのではないかと思います。

学校は、子どもたちにとってどんな場所であってほしいと思いますか

子どもたちが行きたくなる場所、楽しくなる場所であってほしいと思います。友達に会える楽しさ、先生に会える楽しさ、新しいことを学ぶ楽しさ、その楽しさを子どもたちに伝える場所が、本来学校のあるべき姿です。学校は、子どもたちの好奇心を育む場所だと思います。好奇心を持った子どもは生き生きしていますよ。

写真:教師時代の山本さん
昭和42年、算数を教える山本さん(当時25歳)

協働のまちづくりが生み出した教育行政

春日市のコミュニティ・スクールについて教えてください

地域、学校、家庭、各種団体など多くの関係者が連携しているところに、春日市のコミュニティ・スクールの魅力があります。その中でも、やはり地域の(支援する)力が高いところですかね。いろいろな取り組みをみても、その多くが、教育委員会が作りだしたものではなく、地域と学校が作りだしたものです。ですので、それぞれの学校、地域で特色があります。例えば、最初にコミュニティ・スクールを導入した学校の一つである春日北小学校では、地域の危険箇所を確認しようと、安全マップを作成しました。これは、子どもたちが先生と考え発想したもので、これを子どもたちが進んで地域の人と一緒に作ったのだから驚きですよね。将来、社会に貢献するようなすごい人材が春日市からきっと出てくると思いますよ。

教育長「学校出前トーク」はどのような役割を果たしたのでしょうか

教育長「学校出前トーク」とは、春日市内の全小・中学校を年に1回、教育委員と委員会事務局で回っており、行政が伝えたいことを伝えるだけでなく、教員のさまざまな意見を聞く意見交換の場です。行政がよかれと思っていても学校はどう思っているのか、ざっくばらんに意見交換ができる場ですので、先生たちの生の声が聞けます。ですから、市内一律の課題解決策ではなく、各学校の課題に応じた解決策を話し合えるのも特徴です。先生たちからの意見が、市の施策につながったこともあります。例えば、6年生の30人学級や「勉強の仕方」のパンフレット作成です。子どもたちへの教育にとって、学校と行政が密に連携することがいかに大事なことか、改めて感じましたね。

写真:教育長学校出前トークの様子
教員と話し合う教育長時代の山本さん

今だからこそできること

新型コロナウイルス感染症の影響で学校が臨時休校となり、行事も延期や中止になりました

悲しいことやつらいことがあっても、前向きに捉えてほしいです。例えば、自宅で過ごした時のことを、友達同士で「こんなことしてたよ」「こんなことができるようになったよ」と話すとか。クラスや全校集会で発表会をするのも面白いですよね。私の場合は、これまでやっていなかった料理に挑戦しました。おかげで、だいぶ上手になりましたよ(笑)。悲観してもどうしようもありません。現実を受け止めて、マイナスをプラスに転化することができれば、面白い人生になると思いますよ。

大切なのは「自学力」

オンライン学習など新しい教育のかたちが問われていますね

子どもたちには、「自学力」を身に付けてほしいと思います。自学力は、タブレットやコンピューターが作るものではなく、自分自身で汗をかいて身に付けるものです。自学力には3つあります。「予習力」「復習力」「自由研究力」です。予習力では、自分で読み解く力が養われます。数学でも社会でも、まったく習っていないことを自分でどんどん読み解く。分からなくなったら、その時に調べてノートにまとめる。自由研究力についても、自ら課題を見つけて解決していくという面では予習力と一緒で、社会に出ても非常に役に立つ力です。これまでの教育では復習力が重視されてきましたが、これからはそういう力が求められるでしょうね。

最後に、小・中学生へメッセージをお願いします

自分が将来やりたいことがまだ決まらない人も多いでしょう。夢ややりたいことを見つけるには、多くの業種の大人とたくさん話すことです。キャリア教育(「夢サポート」参照)などを通して、さまざまな道がある事を知ってください。それと、自分ができることをたくさん増やしてほしいです。いろんな道を知り、できることをたくさん作って、それから自分で選択していけばいいのです。選択肢を増やして夢を実現するためにも、しっかりと勉強することが大事です。勉強をしていなかったから諦めるというのはもったいないですからね。

将来、皆さんが大きく羽ばたくことを心から期待しています。 

プロフィール

令和2年3月に市教育長を退任後、現在は学校法人麻生学園で理事を務める。夢は、英会話を学び多くの人と話したいとのこと。

夢サポート キャリア教育

一人一人の子どもが、自分らしい生き方を実現するために必要な能力などを育てる教育的な働きかけ。具体例としては、職業人の出前授業、職場体験、インターンシップ、地域貢献活動などがあります。

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