DREAM3 鮨職人 瀬口 祐介(せぐち ゆうすけ)さん
ページ番号1004467 更新日 令和2年1月14日
DREAM3 この地から、世界に向けて挑戦 鮨職人 瀬口 祐介(せぐち ゆうすけ)さん
春日公園の閑静な住宅街にある鮨店「菊鮨」。
二代目店主の瀬口さんは、博多の老舗鮨店で10年間修業の後、モナコ公国の五つ星ホテルで鮨の指導者として活躍しました。帰国後、2012年に父親が創業した「菊鮨」を継ぐことを決意。2019年、「ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎2019特別版」で一つ星(※1)を獲得するなど、福岡を代表する鮨職人として期待されています。そんな瀬口さん、これまでどのような道を歩んできたのか、そしてこれから思い描く夢とは…。
※1 日本ミシュランタイヤが発行するグルメ情報本「ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎2019特別版」による評価指標。福岡県内で星を獲得した鮨店は18軒。
性格的には、父の「職人気質」を受け継いでいたようで、昔から何となく父がやっていたお店を自分が継ぐのだと思っていました。春日で育ったので、博多で修行していたときも、海外から戻ってきたときも、春日に帰ってきたら、道の途中で「懐かしい。帰ってきた」と感じていましたね。
博多で修行をしていたとき、ジョエル・ロブション(※2)のキッチンに誰か行ってくれないかという声が掛かり、27歳でモナコに渡りました。海外に行こうとは全く思っていなかったので、外国語を話せず大変でした。午前中は語学学校に通い、学校を終えて職場に向かうというハードな生活をしていましたが、職場にはフランス人しかいなかったのでもうやるしかないという感じでしたね。
でも、モナコ公国アルベール大公とシャーレン妃の挙式でジョエル・ロブション氏と供に王宮内で鮨をふるまうなど、日本では経験できない面白い仕事がどんどん入ってきて、とても刺激的な2年間でした。10年20年選手の料理人が100人くらいいる中でも、20歳の青年に実力があれば、上のポジションに行かせてもらえるような環境で、みんながやる気を出してチャンスを掴んでいましたね。
※2 世界的有名シェフによる高級レストラン
父から店を継ぐことになったのですが、博多でもモナコでもたくさん勉強してきたので、やりたいことはたくさんありました。父がこれまで積み上げてきたスタイルも尊重しながら、自分の考えも少しずつ実現させてもらい、今があります。
私は春日で育ったので、住環境に恵まれたこのまちで、鮨を握りたいという想いがありました。この店の周辺は住宅街なので、商売をするのに最適な場所かと言われると、そうではないかもしれません。でも逆転の発想で、中途半端に何軒かお店があるわけでもなく、「一軒しかない」という環境は自分にとってはよかったです。ここを目指して来てもらわないと来ない場所なので。最近では、福岡県外のお客さまが空港からタクシーで直接来ていただくことも多く、嬉しいですね。
ミシュラン一つ星をいただいたときは、実は落ち込んでいたんです。どうせなら一つでも多い星を獲りたかった。星が全てではないですが、せっかく世界中からお客さまに来ていただいているので、より高みを目指してこれからまた少しずつ頑張りたいです。
僕は好きでやっているだけなので、好きにやりたいことをやっていれば夢は広がる、ということくらいしか言えませんね(笑)。昔から頑張るのは嫌いじゃなかったので、毎日一生懸命やるだけです。仕事上、体力も必要なので毎日筋力トレーニングをして鍛えたりもしています。粘り強く諦めなければ、夢は終わらないと思います。
夢サポートアイテム
春日市で創業を希望する人に対して、「特定創業支援事業」を行っています。
取材協力
菊鮨(福岡県春日市春日公園3-51-3)
電話:092-575-0718
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