うさぎわたり
ページID:1010922 更新日 令和5年12月5日
ウサギは身近な動物です。学校や家庭でも飼われています。この「うさぎ」の名の付く地名が、春日地区にあります。正確には、大字(おおあざ)春日字(あざ)大牟田の中にあります。
大字は江戸時代の村に当たります。春日市には、春日、小倉、須玖、上白水、下白水の5つの大字(村)がありました。これらの5村が明治時代に合併して春日村が成立し、現在の春日市となりました。
字は、大字の中の小区画です。字が小区画といっても大きな字もあり、場所を特定するため、さらに小さな区画が必要になる場合があります。そのことから、小地名(しょうちめい)が残っていることがあります。
「うさぎわたり」は、この小地名に当たります。場所は春日貯水池と大牟田池の間辺りです。現在、住宅が立ち並んでいますが、昭和30年代以前は、起伏に富んだ丘陵(きゅうりょう)地でした。また、丘陵に切れ込んだ谷を利用して、ため池が作られています。
「うさぎわたり」には春日から小倉へ通じる小さな道があり、春日地区の子どもたちが春日小学校への登下校で使っていました。この「うさぎわたり」周辺は、雨期になれば池の水かさが増えて湿地になり、この道を通う子どもたちは難渋したようです。
地名の由来は2つ考えられます。1つは、この辺りが深い丘陵地で集落からも離れ、ウサギが生息していたのではないかということ。もう1つは、特に雨期の間などで、ここを通る道がウサギが通るような、細く頼りない道だったのではないかということです。 今となっては分かりません。
「うさぎわたり」を通る道は整備され、現在、春日からふれあい文化センターへ抜ける「すぽーつ通り」へと姿を変えています。
春日市郷土史研究会 寺崎 直利(てらさき なおとし)
(市報かすが 平成27年8月15日号掲載)
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