令和元年度春日市歳入歳出決算及び基金運用状況等審査意見書

ページID:1007341  更新日 令和2年10月27日

地方自治法などの法令の規定に基づいて、春日市各会計の歳入歳出決算について審査した結果、監査委員から市長に対し意見書を提出しました。概要は次のとおりです。

1 審査の対象

  1. 令和元年度 春日市一般会計歳入歳出決算
  2. 令和元年度 春日市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
  3. 令和元年度 春日市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算
  4. 令和元年度 春日市介護保険事業特別会計歳入歳出決算
  5. 令和元年度 筑紫地区介護認定審査会事業特別会計歳入歳出決算
  6. 令和元年度 春日市下水道事業会計収入支出決算
  7. 令和元年度 健全化判断比率および資金不足比率
  8. 令和元年度 特定の目的のために定額の資金を運用するための各種基金

2 審査の実施期間

令和2年6月5日から8月3日まで

3 審査の方法

決算審査に当たっては、各会計の決算書、その他政令で定められた書類の合規性、計数についての正確性、予算の執行状況および財政の運営状況に主眼をおいて、会計管理者所管の関係諸帳簿との照合、点検ならびに内容の検討、関係職員からの事情聴取により審査を実施しました。また、定期監査、例月現金出納検査などの結果を参考としました。

4 審査の結果

提出された各会計の歳入歳出決算書、同事項別明細書、実質収支に関する調書および財産に関する調書ならびに下水道事業会計決算関係書類は、法令などに定められた様式に従って作成されており、かつ、各計数も正確で、当年度における決算は、適正に表示されていると認めました。

また、健全化判断比率および資金不足比率ならびにその基礎となる事項を記載した書類も適正に作成されていると認めました。

各基金の計数は正確であり、その設置目的に従い適正に運用されていると認められますが、平成13年度以降貸付利用実績のない状態が続いている介護保険高額介護サービス費支払資金貸付基金については、運用などの検討を求めます。

なお、当年度5月31日現在における指定金融機関などの預金残高と関係諸帳簿を照合した結果、それぞれ合致していることを確認しました。

当年度における各会計の歳入歳出予算の執行については、一般会計において一部繰越しを余儀なくされたものがあるものの、おおむね所期の目的が達成されたものと認めました。

5 総括

  1.  当年度の一般会計歳入合計は、前年度比2.9パーセント減となった。市税収入などの自主財源は、平成26年度から前年度まで僅かながらも増加を続けていたが、当年度は前年度比2.9パーセント減の約180億円となり、平成29年度とほぼ同じ規模となった。一般会計の財源構成については、国庫支出金などの依存財源も前年度比2.8パーセント減となったため、自主財源比率は前年度と同じ51.1パーセントとなった。財政状況の指標となる財政力指数については、前年度に比べ0.003ポイント増の0.752となり、改善傾向が維持されている。財政構造の弾力性を測る経常収支比率は、その比率が高いほど硬直化が進んでいるといわれるが、本市の経常収支比率は、1.9ポイント増の86.9パーセントとなっている。財政の硬直化を防止するためにも、引き続き改善に努められたい。
  2.  市税などの徴収について、当年度の調定額に対して収入未済額となった割合は1.3パーセントであるが、これは前年度に比べて0.3ポイント減となっており、納税推進のための諸施策の実施により、その改善が認められる。今後も効果的な施策を講じるとともに、税負担の公平を期するため、滞納者との粘り強い折衝や資力などの実態把握に努め、新たな滞納の発生防止を図られたい。なお不納欠損処分については、引き続き厳正かつ細心の注意を払いながらその執行に当たられるよう要望する。
  3.  当年度の一般会計歳出合計は、前年度比2.6パーセント減となり、性質別経費の構成は消費的経費67.3パーセント、投資的経費11.1パーセント、その他の経費21.6パーセントとなっている。人件費や物件費などの消費的経費は前年度比5.0パーセント増となったが、投資的経費は前年度比18.4パーセント減、その他の経費も13.5パーセント減となった。
     投資的経費の減少は、連続立体交差事業や西鉄春日原駅周辺整備事業などの普通建設事業費が減少したことによるものであるが、公共施設に関しては、その老朽化対策や更新費用などの負担増が今後も予測されるものであり、春日市公共施設等総合管理計画などの基本方針を随時見直しながら、これらに基づいた計画的な施設管理を引き続き実施されたい。
  4.  国民健康保険事業特別会計については、制度改革により運営主体が都道府県となった平成30年度以降、効率的な徴収事務に努めた結果、滞納繰越分を含む国保税収入率が前年度から3.6ポイント増の85.8パーセントに上昇し、収入未済額も約1億1千万円減少した。保険給付費は、療養給付費、出産育児一時金、高額療養費などの減少により、約3千4百万円減少し約65億5千万円となった。給付が減少したとは言え、平成29年度と同水準となっており、ほぼ横ばいで推移している。国保事業の適正な運営を図るため、今後も被保険者に対し、医療費の抑制や税負担の理解を求めるなど、財政健全化に一層の努力を傾注されたい。
  5. 下水道事業会計については、有収水量の減少などによる営業収益の減少および負担金・補助金などの営業外収益の減少により、経常利益は約1億2千百万円減少した。しかし御笠川那珂川流域下水道の維持管理負担金の過年度剰余金の返還金を特別利益に計上した結果、約1億3千9百万円増加し、当年度は3億6千万円の純利益を確保した。今後も、少子高齢化による需要減少や、大口使用者の節水などにより、有収水量の減少傾向は続くものと見込まれ、下水道施設の老朽化に伴う改築更新費用など将来的な負担増にも対応できるよう、引き続き事業の効率化に努められたい。
  6.  今後、市の業務はますます複雑多様化し、新たな行政課題も次々に発生することが予想されるが、本市は他団体に比べて非常に少ない職員数で行政運営を行ってる。このような状況下において、質の高い行政サービスを確保するためには、業務の効率化や事業の合理化、職員の生産性向上などを図る必要があり、これを支える財務事務などの適正な実施や、行政運営の透明性・公平性の確保を行うために、効果的な内部統制の構築がこれまで以上に重要であると考える。

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