令和4年度春日市歳入歳出決算及び基金運用状況等審査意見書
ページID:1012947 更新日 令和5年10月5日
地方自治法などの法令の規定に基づいて、春日市各会計の歳入歳出決算などについて審査した結果、監査委員から市長に対し意見書を提出しました。概要は次のとおりです。
令和4年度春日市歳入歳出決算等審査意見
第1 審査の対象
- 令和4年度春日市一般会計歳入歳出決算
- 令和4年度春日市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
- 令和4年度春日市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算
- 令和4年度春日市介護保険事業特別会計歳入歳出決算
- 令和4年度筑紫地区障害支援区分等審査会事業特別会計歳入歳出決算
- 令和4年度春日市下水道事業会計収入支出決算
第2 審査の期間
令和5年6月23日(下水道事業会計に関するものは6月1日)から令和5年8月23日まで
第3 審査の方法
令和4年度の決算審査に当たっては、各会計の歳入歳出決算書その他政令で定められた書類の合規性および計数についての正確性ならびに歳入歳出予算の執行状況および財政の運営状況に主眼を置き、会計管理者所管の関係諸帳簿との照合、点検および内容の検討ならびに関係職員からの事情聴取を行うとともに、定期監査、例月現金出納検査などの結果を参考として審査を実施した。
第4 審査の結果
1 様式及び計数
審査に付された各会計の歳入歳出決算書、同事項別明細書、実質収支に関する調書および財産に関する調書ならびに下水道事業会計決算関係書類は、地方自治法施行規則(昭和22年内務省令第29号)および地方公営企業法施行規則(昭和27年総理府令第73号)などに定められた様式に従って作成されており、各計数についても、重要な点において適正に表示しているものと認められた。また、令和5年5月31日現在における指定金融機関などの預金残高と関係諸帳簿を照合した結果、それぞれ合致していることを確認した。
2 予算の執行状況
令和4年度における各会計の歳入歳出予算の執行については、一般会計において一部繰越しを余儀なくされたものの、おおむね所期の目的が達成されたと認められた。
令和4年度春日市財政健全化審査意見
第1 審査の対象
令和4年度春日市健全化判断比率
第2 審査の期間
令和5年6月23日から令和5年8月23日まで
第3 審査の方法
この審査は、提出された健全化判断比率およびその算定の基礎となる事項を記載した書類が適正に作成されているかを主眼として実施した。
第4 審査の結果
審査に付された各比率およびその算定の基礎となる事項を記載した書類は、いずれも適正に作成されているものと認められた。令和4年度の各比率は、問題のないものとなっており、財政状況は良好であると認められた。
令和4年度春日市下水道事業会計経営健全化審査意見
第1 審査の対象
令和4年度春日市下水道事業会計資金不足比率
第2 審査の期間
令和5年6月1日から令和5年8月23日まで
第3 審査の方法
この審査は、提出された資金不足比率およびその算定の基礎となる事項を記載した書類が適正に作成されているかを主眼として実施した。
第4 審査の結果
審査に付された資金不足比率およびその算定の基礎となる事項を記載した書類は、適正に作成されているものと認められた。下水道事業会計決算においては、資金不足は生じていないため、経営状況は良好であると認められた。
令和4年度春日市基金の運用状況審査意見
第1 審査の対象
- 令和4年度春日市高額療養費支払資金貸付基金
- 令和4年度春日市福祉資金貸付基金
- 令和4年度春日市介護保険高額介護サービス費支払資金貸付基金
第2 審査の期間
令和5年6月23日から令和5年8月23日まで
第3 審査の方法
地方自治法(昭和22年法律第67号)第241条第5項の規定に基づき審査に付された基金の運用状況に関する調書について、帳簿および証拠書類と照合し、その計数が正確であるか、基金の運用がその設置目的に従い確実かつ効率的に行われているかを審査した。
第4 審査の結果
審査の結果、各基金の計数は正確であった。なお、介護保険高額介護サービス費支払資金貸付基金については、その利用状況から制度および運用の検討を求める。
むすび
- 令和4年度一般会計については、歳入総額410億円、歳出総額395億円、実質収支額は12億8千万円の黒字となった。歳入総額、歳出総額とも令和3年度から大幅に減少しているが、これは国の子育て世帯などに対する臨時特別給付金給付事業に関するものが大幅な減額となったことによるものである。経常収支比率の状況を見ると、財政の硬直化の傾向がうかがえる。
歳入の基幹をなす市税については、新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着きつつある中で、軽減措置の終了や個人所得の増加などから増収となり、自主財源の増加につながっている。滞納繰越分も含めた市税全体の収入率については、令和3年度と同様の水準を確保している。今後も、効果的かつ効率的な市税などの徴収施策を講じ、負担の公平を図るともに、自主財源の確保に努められたい。
歳出における投資的経費の全てを占める普通建設事業費については、電子計算機器等管理運営費が増加した反面、温水プール管理事業費、大和市営住宅建替事業費、西鉄春日原駅周辺整備事業費、上白水公園整備事業費などが減少したことにより、令和3年度から大幅な減額となった。公共施設などの維持、更新などに当たっては、春日市公共施設等マネジメント計画などに基づき、計画的かつ適切に実施されたい。 - 令和4年度国民健康保険事業特別会計について、令和4年度に国民健康保険税率が改定され、県が示す標準保険税率の水準に達した中で、滞納繰越分も含めた国民健康保険税全体の収入率は令和3年度から微増となった。引き続き国民健康保険税の徴収強化や保健事業などを通じた医療費の適正化を図るとともに、標準保険税率を踏まえ、必要に応じて国民健康保険税率の改定を行うなど、国民健康保険事業の安定的な運営に努められたい。
- 令和4年度後期高齢者医療事業特別会計について、滞納繰越分も含めた後期高齢者医療保険料全体の収入率は、令和3年度から微増となり、引き続き高い水準を確保している。今後も、効果的かつ効率的な徴収施策を実施し、収入率の向上に努められたい。
- 令和4年度介護保険事業特別会計について、滞納繰越分も含めた介護保険料全体の収入率は、令和3年度から微増となり、引き続き高い水準を確保している。今後も、効果的かつ効率的な徴収施策を実施し、収入率の向上に努められたい。
- 令和4年度下水道事業会計について、下水道使用料収納率は令和3年度から微増となったものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に係る行動制限の緩和に伴い在宅時間が短くなったことなどから下水道使用料収入額は減少した。純利益も令和3年度から減少したが、経常収支比率や経費回収率は新型コロナウイルス感染症の影響が少ない令和元年度の水準を上回っており、また企業債の償還は着実に進んでいる。今後も、人口減少などに伴う下水道使用料収入額の減少、下水道施設の老朽化に伴う改築更新費用の増大などを見据え、引き続き事業の効率化などに努められたい。
- 令和元年度の終わり頃から始まった新型コロナウイルス感染症は令和4年度をもって一定の収束を見せ、市財政への影響は今後小さくなっていくことが予想される。一方で、少子高齢化の進展は顕著であり、生産年齢人口の減少による市税収入の減少や老年人口の増加による社会保障費の増大が懸念されている。老朽化した公共施設の長寿命化や更新に当たっても多額の費用が必要になるところである。
これらを踏まえ、引き続き財政規律を重視した財政運営を行い、事業の実施に当たっては積極的な財源の確保、経費削減に努められたい。
また、市の業務は年々増大するとともに複雑多様化しており、効果的かつ効率的な業務の遂行や法令などを遵守した事務の執行などを安定的に行うためには、内部統制の整備および運用が重要であると考える。
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監査委員事務局 監査担当
〒816-8501
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