令和5年度春日市決算審査等意見書

ページID:1014979  更新日 令和6年10月2日

地方自治法などの法令の規定に基づいて、春日市各会計の歳入歳出決算などについて審査した結果、監査委員から市長に対し意見書を提出しました。概要は次のとおりです。

令和5年度春日市決算審査

第1 監査基準への準拠

本審査は、春日市監査基準(令和2年3月監査委員告示第2号)に準拠して実施した。

第2 審査の種類

1 一般会計および特別会計(下水道事業会計を除く。以下同じ。)

地方自治法(昭和22年法律第67号)第233条第2項に規定する審査

2 下水道事業会計

地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第30条第2項に規定する審査

第3 審査の対象

1 一般会計および特別会計

次に掲げる決算ならびに当該決算に関する証書類、歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書および財産に関する調書

  1. 令和5年度春日市一般会計歳入歳出決算
  2. 令和5年度春日市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
  3. 令和5年度春日市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算
  4. 令和5年度春日市介護保険事業特別会計歳入歳出決算
  5. 令和5年度筑紫地区障害支援区分等審査会事業特別会計歳入歳出決算

2 下水道事業会計

令和5年度春日市下水道事業会計決算(決算報告書、損益計算書、剰余金計算書、剰余金処分計算書、貸借対照表)ならびに当該決算に関する証書類、令和5年度春日市下水道事業報告書、キャッシュ・フロー計算書、収益費用明細書、固定資産明細書および企業債明細書

第4 審査の着眼点および主な実施内容

1 着眼点

  1. 決算その他関係書類は、関係法令に適合するよう、かつ、正確に作成されているか。
  2. 予算の執行は、適正かつ効率的に行われているか。

2 主な実施内容

  1. 決算その他関係書類について、関係諸帳簿との照合、証憑との突合、計算による突合などを行い、計数の正確性などを確認した。
  2.  決算数値について、年度間の比較などを行い、その傾向や問題点を分析した。
  3.  決算その他関係書類に関して関係部署の職員に説明を求めるとともに、必要に応じて質問を行った。なお、下水道事業会計決算については、次のとおり所管に概況説明を求めた。
    • 日 時 令和6年6月25日
    • 場 所 春日市役所監査委員事務局執務室
    • 出席者 都市整備部参事兼下水道課長、下水道課庶務担当係長、担当職員
  4. 定期監査や、例月現金出納検査の際に実施している支出命令書などの監査の結果を参考にして審査を行った。

第5 審査の実施場所および日程

1 実施場所

春日市役所監査委員事務局執務室

2 日程(審査期間)

令和6年6月24日(下水道事業会計は6月3日)から令和6年8月26日まで

第6 審査の結果および意見

審査に付された一般会計および各特別会計ならびに下水道事業会計の決算その他関係書類は関係法令に準拠して作成され、その計数は正確であると認められた。

また、令和5年度における各会計の予算の執行については、おおむね適正に行われていると認められた。

第7 むすび(総括意見)

一般会計における令和5年度歳入歳出決算は、歳入総額404億4,603万3千円、歳出総額390億5,453万6千円、実質収支額は11億6,950万2千円の黒字となり、前年度から歳入総額は1.4パーセント、歳出総額は1.2パーセント、いずれも減少した。

財政指標を見ると、財政力指数や経常収支比率については、令和4年度に引き続き若干悪化し、財政の硬直化の傾向が見られるため、留意されたい。

歳入について、その基幹をなす市税は、固定資産税の増収を主な要因として、令和4年度に引き続き増収となった。しかし、繰越金が大きく減少したことなどから、財源全体に占める一般財源などや自主財源の割合が減少することとなった。市税の収入率(現年課税分と滞納繰越分を合わせた全体分。以下同じ。)は99.3パーセントであり、令和4年度と同様、引き続き高い水準を確保している。今後も、効率的かつ効果的な徴収施策を講じ、負担の公平を図るともに、自主財源の確保に努められたい。

歳出について、性質別に増減の状況を見ると、消費的経費である扶助費の増加が顕著であった。主な要因として、物価等高騰支援給付金給付事業や低所得世帯支援金給付事業など国の交付金を活用した事業が実施されたこと、障害児通所給付事業費などが増加したことなどが挙げられる。ここ2年減少していた投資的経費については、増加に転じた。市営住宅の建て替えなど、市民生活に不可欠な公共施設の整備を着実に進めている。

国民健康保険、後期高齢者医療および介護保険に係る各特別会計については、歳入の重要項目である保険税や保険料の収入率がいずれも令和4年度より上昇した。国民健康保険事業においては、県に支払う事業費納付金の支出額が増える中、事業運営基金を活用して安定的な財政運営が行われている。医療や介護の分野においては、高齢化の進展などによって今後も一人当たりの給付費の増加が予想されるところ、引き続き効率的な事業運営、安定的な財政運営に努められたい。

下水道事業会計については、純利益を確保するとともに、企業債の償還が進んだ。キャッシュ・フローや経営指標の状況についてもおおむね良好であり、春日市下水道事業は良好な経営成績に支えられ、財政状態の改善が進みつつあると評価できるものである。今後は、ストックマネジメント計画に基づき老朽化した下水道施設の改築更新を着実に進めるとともに、引き続き効率的かつ安定的な事業運営を行われたい。

最後に、春日市は、これからの50年を見据えた魅力ある都市づくりを進めるため、「春日新50年プラン」により公共施設などの整備を図っていくこととしている。一方で、少子高齢化はますます進展し、生産年齢人口の減少による市税収入の減少や老年人口の増加による扶助費の増大が懸念されており、財政状況はより一層厳しさ増すことが予想される。これらを踏まえ、引き続き財政規律を重視した財政運営を行うとともに、積極的な財源の確保、効率的かつ効果的な事業の実施に努められたい。

令和5年度春日市基金の運用状況審査

第1 監査基準への準拠

本審査は、春日市監査基準に準拠して実施した。

第2 審査の種類

地方自治法第241条第5項に規定する審査

第3 審査の対象

次に掲げる基金の運用状況報告書

  1. 令和5年度春日市高額療養費支払資金貸付基金(国民健康保険)
  2. 令和5年度春日市福祉資金貸付基金
  3. 令和5年度春日市介護保険高額介護サービス費支払資金貸付基金

第4 審査の着眼点および主な実施内容

1 着眼点

  1. 基金運用状況報告書の計数は、正確か。
  2. 基金の運用は、その設置目的に沿って、確実かつ効率的に行われているか。

2 主な実施内容

  1. 基金運用状況報告書について、決算その他関係書類や関係諸帳簿との照合、計算による突合などを行い、その計数が正確であるかを確認した。
  2. 基金の運用状況について、年度間の比較などを行い、その傾向や問題点を分析した。
  3. 基金の運用状況について、関係部署の職員に説明を求めるとともに、必要に応じて質問を行った。
  4. 定期監査や例月現金出納検査の結果を参考にして審査を行った。

第5 審査の実施場所および日程

1 実施場所

春日市役所監査委員事務局執務室

2 日程(審査期間)

令和6年6月24日から令和6年8月26日まで

第6 審査の結果および意見

審査に付された基金運用状況報告書の計数は、正確であると認められた。

福祉資金貸付基金の運用は、その設置目的に沿って、確実かつ効率的に行われていると認められた。

高額療養費支払資金貸付基金(国民健康保険)と介護保険高額介護サービス費支払資金貸付基金に関しては、令和5年度において貸付けおよび回収の実績がなかった。

なお、介護保険高額介護サービス費支払資金貸付基金については、その運用状況から制度および運用の検討を求める。

令和5年度春日市健全化判断比率審査

第1 監査基準への準拠

本審査は、春日市監査基準に準拠して実施した。

第2 審査の種類

地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成19年法律第94号)第3条第1項に規定する審査

第3 審査の対象

  1. 令和5年度決算に基づく健全化判断比率(実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率)
  2. 1に掲げる比率の算定の基礎となる事項を記載した書類

第4 審査の着眼点および主な実施内容

1 着眼点

健全化判断比率およびその算定の基礎となる事項を記載した書類が、関係法令に適合し、かつ、正確であるか。

2 主な実施内容

  1. 健全化判断比率の算定の基礎となる事項を記載した書類について、決算その他関係書類や関係諸帳簿との照合、計算による突合などを行い、関係法令に準拠して作成されているか、その計数は正確であるかを確認した。
  2. 健全化判断比率について、年度間の比較などによる分析を行うとともに、必要に応じて関係部署の職員に説明を求めた。

第5 審査の実施場所および日程

1 実施場所

春日市役所監査委員事務局執務室

2 日程(審査期間)

令和6年6月24日から令和6年8月26日まで

第6 審査の結果および意見

審査に付された健全化判断比率およびその算定の基礎となる事項を記載した書類は、関係法令に適合し、かつ、正確であることが認められた。

令和5年度決算に基づく健全化判断比率の状況について、特段の問題はない。

<健全化判断比率の状況>

区分

令和3年度

令和4年度

令和5年度

早期健全化基準

実質赤字比率(注1)

-

-

-

12.37

連結実質赤字比率(注1)

-

-

-

17.37

実質公債費比率(注2)

2.9

2.8

2.7

25.0

将来負担比率(注3)

-

-

-

350.0

(注)

  1. 「-」は赤字がない(黒字である)ことを示す。
  2. 3か年平均
  3. 将来負担比率における「-」は、将来負担すべき額よりもその支払に充てることができる財源の方が多い状態であることを示す。
  4. 表中の数値の単位は「パーセント」である。

令和5年度春日市資金不足比率審査

第1 監査基準への準拠

本審査は、春日市監査基準に準拠して実施した。

第2 審査の種類

地方公共団体の財政の健全化に関する法律第22条第1項に規定する審査

第3 審査の対象

  1. 令和5年度春日市下水道事業会計決算に基づく資金不足比率
  2. 1に掲げる比率の算定の基礎となる事項を記載した書類

第4 審査の着眼点および主な実施内容

1 着眼点

資金不足比率およびその算定の基礎となる事項を記載した書類が、法令に適合し、かつ、正確であるか。

2 主な実施内容

  1. 資金不足比率の算定の基礎となる事項を記載した書類について、決算その他関係書類や関係諸帳簿との照合、計算による突合などを行い、関係法令に準拠して作成されているか、その計数は正確であるかを確認した。
  2. 資金不足比率について、年度間の比較などによる分析を行うとともに、必要に応じて関係部署の職員に説明を求めた。

第5 審査の実施場所および日程

1 実施場所

春日市役所監査委員事務局執務室

2 日程(審査期間)

令和6年6月3日から令和6年8月26日まで

第6 審査の結果および意見

審査に付された資金不足比率およびその算定の基礎となる事項を記載した書類は、関係法令に適合し、かつ、正確であることが認められた。

令和5年度春日市下水道事業会計決算に基づく資金不足比率の状況について、特段の問題はない。

<資金不足比率の状況>

区分

令和3年度

令和4年度

令和5年度

経営健全化基準

春日市下水道事業会計

-

-

-

20.0

(注)

  1. 「-」は、資金不足が発生していないことを示す。
  2. 表中の数値の単位は「パーセント」である。

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このページに関するお問い合わせ

監査委員事務局 監査担当
〒816-8501
福岡県春日市原町3-1-5
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電話:092-584-1138
ファクス:092-584-1142
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