令和3年度春日市歳入歳出決算及び基金運用状況等審査意見書
ページID:1010930 更新日 令和4年10月4日
地方自治法などの法令の規定に基づいて、春日市各会計の歳入歳出決算について審査した結果、監査委員から市長に対し意見書を提出しました。概要は次のとおりです。
1 審査の対象
- 令和3年度 春日市一般会計歳入歳出決算
- 令和3年度 春日市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
- 令和3年度 春日市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算
- 令和3年度 春日市介護保険事業特別会計歳入歳出決算
- 令和3年度 春日市下水道事業会計収入支出決算
- 令和3年度 健全化判断比率および資金不足比率
- 令和3年度 特定の目的のために定額の資金を運用するための各種基金
2 審査の実施期間
令和4年6月15日から8月10日まで
3 審査の方法
決算審査に当たっては、各会計の決算書その他政令で定められた書類の合規性、計数についての正確性、予算の執行状況および財政の運営状況に主眼をおいて、会計管理者所管の関係帳簿との照合、点検ならびに内容の検討、関係職員からの事情聴取により審査を実施しました。また、定期監査、例月現金出納検査などの結果を参考としました。
4 審査の結果
提出された各会計の歳入歳出決算書、同事項別明細書、実質収支に関する調書および財産に関する調書ならびに下水道事業会計決算関係書類は、法令などに定められた様式に従って作成されており、各計数についても、重要な点において適正に表示しているものと認められました。
健全化判断比率および資金不足比率ならびにその基礎となる事項を記載した書類についても適正に表示されていると認められました。
各基金の計数は正確であり、その設置目的に従い適正に運用されていると認められますが、平成13年度以降貸付利用実績のない状態が続いている介護保険高額介護サービス費支払資金貸付基金については、運用などの検討を求めます。
また、当年度3月31日現在における指定金融機関などの預金残高と関係諸帳簿を照合した結果、それぞれ合致していることを確認しました。
当年度における各会計の歳入歳出予算の執行については、一般会計において一部繰越しを余儀なくされたものがあるものの、おおむね所期の目的が達成されたものと認められました。
5 総括
- 令和3年度の一般会計歳入合計は、440億円となった。令和2年度に実施された特別定額給付金給付事業などの反動として令和3年度は国庫補助金などが大幅な減額となり、その結果73億2千万円(14.3パーセント)の減となった。市税収入などの自主財源は、令和2年度比1.0パーセント減の181億7千万円となった。財政力指数については、令和2年度に比べ0.009ポイント減の0.753となり、ほぼ横ばいで維持されている。経常収支比率は、令和2年度に比べて3.0ポイント減の84.2パーセントとなっており、財政の改善傾向が覗える。
- 市税などの徴収率は99.3パーセントであり、令和2年度に比べて0.7ポイント増となった。徴収率の上昇傾向は続いており、諸施策の実施による改善が認められる。今後も効果的な施策を講じるとともに、税負担の公平を期するため、滞納の発生防止を図られたい。また、自主財源における収入に関しても、市税などと同様に、その回収に努力されたい。
- 令和3年度の一般会計歳出合計は415億2千万円となり、令和2年度に比べて76億6千万円(15.6パーセント)の減となった。性質別経費の構成は消費的経費66.7パーセント、投資的経費11.9パーセント、その他の経費21.4パーセントとなっている。令和2年度に新型コロナウイルス感染症関連対策の補助費などが大幅に増加したことの反動減により、人件費や物件費などの消費的経費は令和2年度比21.3パーセント減となった。また、社会教育費や保健体育費の施設整備事業費などが増加した反面、小中学校施設整備事業費や市営住宅建替事業費などの普通建設事業費が減少したことにより、投資的経費は令和2年度比13.6パーセント減となった。投資的経費のメインである公共施設の大規模改修費などは、その基本方針である春日市公共施設等総合管理計画などを随時見直すなど、計画的な施設管理を引き続き実施されたい。
- 国民健康保険事業特別会計については、効率的な徴収事務に努めた結果、国保税収入率が令和2年度から3.2ポイント増の94.0パーセントに上昇した。しかし保険給付費は、3億7千万円増加し68億4千万円となり、令和2年度までの減少傾向から増加に転じている。国保事業の適正な運営を図るため、今後も財政健全化に一層の努力を傾注されたい。
- 下水道事業会計については、経常利益が1億円の増加となり、令和3年度は4億7千万円の純利益を確保したが、予測される人口減少などによる有収水量の減少、下水道施設の老朽化に伴う改築更新費用などを見据え、引き続き事業の効率化に努められたい。
- 新型コロナウイルス感染症関連対策などの規模縮小により令和3年度の一般会計の歳出総額は令和2年度から約15パーセントの反動減となった。しかし社会保障関係経費は増大傾向であり、新型コロナウイルス感染症関連の財政措置も継続している。財政負担の増大が見込まれることから、今後も全庁を挙げて効率的・効果的な行政運営に努められたい。
- 今後、春日市のみならず地方自治体の業務は、デジタル化など複雑多様化した新たな行政課題に直面することが予想される。業務の効率化や事業の合理化、生産性向上などを図る必要があり、これを支える財務事務などの適正な実施や行政運営の透明性・公平性の確保を行うためにも、内部統制の構築・運用が一層重要であると考える。
このページに関するお問い合わせ
監査委員事務局 監査担当
〒816-8501
福岡県春日市原町3-1-5
市役所2階
電話:092-584-1138
ファクス:092-584-1142
監査委員事務局 監査担当へのお問い合わせは専用フォームへのリンク