第9回 春日ゆりかもめアイの会

ページ番号1011422  更新日 令和5年2月1日

写真:ゆりかもめアイの会のメンバーによる集合写真
ゆりかもめアイの会の皆さん

第9回目は、春日市内で点訳(普通の文字や文庫を点字に変換すること)活動や福祉教育を行う「春日ゆりかもめアイの会」を紹介します。会員の皆さんに話を聞きました。

紹介

  • 発足:平成5年5月
  • 代表者:中村 順次(なかむら じゅんじ)
  • 活動場所:春日市社会福祉センター(福岡県春日市昇町3-101)
  • 活動日時:毎週金曜日 午前10時~正午
  • 連絡先:かすがボランティアセンター
    • 電話:092-501-1136
    • ファクス:092-581-7258
    • メールアドレス:kasuga-volo@aioros.ocn.ne.jp

発足のきっかけは

元々、点訳サークル「ゆりかもめ」という福岡市内を拠点とする点訳団体で活動していた方が、自分の住んでいる春日市でも活動を広めたいという思いで始めたのが、発足のきっかけです。

春日市やその近隣に住む視覚に障がいのある方に対して点字情報を提供し、障がい者福祉の向上に寄与するだけでなく、視覚障がい者との心の触れ合いを大切にしてほしいとの願いで発足しました。発起人の方は、現在もボランティアセンターとゆりかもめアイの会が共催する点字ボランティア講座の講師として携わっており、私たちは、今でもその願いを受け継いで活動を続けています。

どんな活動をしていますか

私たちは、主に3つの活動をしています。

まず1つ目は、福岡高等視覚特別支援学校(以下、「高視特」という)や春日市などから依頼を受けて行う点訳です。依頼内容は幅広く、小説や絵本など、基本的には依頼があれば何でも点訳します。時には、高視特に通う方が資格を取得するための参考書を点訳することもあり、専門用語に苦労しながらも、誤りのないよう複数人で何度も校正を行っています。また、個人の方からの依頼も受けているので、何か点訳したいものがあれば気軽に連絡してください。

2つ目に、春日市社会福祉協議会から依頼を受け行っている春日市内の小学校での福祉教育活動です。実際に点字を書いてみる「点字体験」や、視覚障がいを理解してもらい、サポートする大変さを知ってもらうための「アイマスク体験」など、実際に体験して理解してもらう機会を提供しています。また、視覚に障がいのある方に来てもらい、実際の生活について話をしてもらっています。子どもたちは、直接話を聞くことで、より福祉の分野に興味を持ち理解しようとしてくれていると感じています。中には、福祉教育を受けた子が大人になってから点字ボランティア講座を受けに来てくれることもあり、福祉教育の効果を実感しています。

3つ目に、視覚に障がいのある方への支援活動です。発足時の願いである心の触れ合いを大切にするため、視覚に障がいのある方のガイドボランティアを行っています。また、毎年点字カレンダーを作成し、昔からのつながりがある方に発送しています。カレンダーには、付録として「博多のまつり」や「和菓子にまつわる話」など、毎年テーマが変わる簡単な読み物もつけており、喜んでいただいています。

写真:点訳されたカレンダーとその付録「和菓子にまつわる話」
毎年作成しているカレンダー
写真:春日市から依頼を受け点訳した計画書
春日市が作成した計画書の点訳

活動する中で大変だったことはありますか

点訳する際は、全てひらがなに変換して点字で書いています。そのため、読みやすくするための字間の区切りなど、点字にはさまざまなルールがありますが、経験を積んで慣れるまでは、他の会員とコミュニケーションをとりながら理解していく必要があり大変です。

また、完成するまでに、点字を書いた人とは別に3人の校正を受けた後、修正して別のグループに回して再度確認を行い、最後にもう1度確認を行うなど、かなりの回数の確認作業を行うのが大変です。ただ、視覚に障がいのある方が使うものなので、誤りのないよう何度も確認して渡しています。

活動する中でうれしかったことはありますか

以前、高視特で打ち合わせをしていた際、偶然先生が声をかけた生徒から「小学5・6年生のとき、ゆりかもめアイの会にお世話になりました」と言われたことがありました。その子は元々弱視でしたが、後々視力を失うことを親が心配して、視力があるうちから点字の勉強をしており、その際に使用するプリントの点訳を依頼されました。

10年以上経った今でも、私たちの団体を覚えてくれていたことや感謝してくれていることに、非常に感動しました。このように、誰かの手伝いができるというのは、活動をしている意味があるなと感じています。

今後の目標を教えてください

以前、短歌が趣味の方から、短歌の本の点訳を依頼され家に本を取りに行ったことがありました。その際、前回点訳した別の短歌の本を見つけたのですが、その本は、ページが擦り切れるくらい何度も何度も読んでいました。ぼろぼろになるまで大切にとってくれていたと思うと、すごく嬉しかったです。

現在、視覚障がいがある方が本を理解する手段として、音訳(音声で聞いて理解する)が主流になってきていますが、点字は、視覚に障がいのある方が活字を読む楽しさを味わう大切な手段の1つです。何度も何度も大切に読み返す、これができるのは点字だけです。こういった楽しみを守るためにも、今後も継続して活動をしていきたいと思っています。

活動を続けていくには人が大切ですので、毎年点字ボランティア講座をボランティアセンターと共催し、点字をやりたいと思う方を増やすための種をまいているところです。

皆さんへひとこと

写真:点字をパソコンで打ち込む様子

点字は、皆さんが思っている以上におもしろいです。少しでも興味がある方は、まずは点字ボランティア講座を受講してください。お待ちしています。

このページに関するお問い合わせ

地域づくり課 協働推進担当
〒816-8501
福岡県春日市原町3-1-5
市役所4階
電話:092-584-1111(代表)
ファクス:092-584-1153
地域づくり課 協働推進担当へのお問い合わせは専用フォームへのリンク