第4回 ColorFul-HappyFul(カラフルハピフル)

ページ番号1009320  更新日 令和4年1月15日

インタビューを受ける永野さん

第4回目は不登校児を持つ家庭をサポートし、「<楽しい>の達人」との出会いを通して子どもに「楽しい」を再発見してもらう活動を行っている団体を紹介します。団体の代表である永野マミ(ながの まみ)さんに話を聞きました。

団体紹介

発足のきっかけは

保育士をしているのに思うように子育てができずに悩んだ経験や、我が子の不登校気味な生活に直面した経験から「昔の自分を救いたい」とずっと感じていました。また、保育士をしていると育児相談にのることも多々ありますが、多くの保護者が園児だけではなく、そのきょうだい児についての子育てにも悩んでいると実感しており、そんな保護者の方々の力になれるような活動がしたいとの思いも持っていました。

元々私は転勤族で、日本全国を転々としてきました。東日本大震災の時には岩手に住んでいたのですが、激しい揺れに「もうだめだ」と感じたことを覚えています。しかし、私は今生き延びており、これは「生かされている」のだと感じています。この生かされた命を無駄にはできないと考え続け、震災から10年が経ってしまいましたが、コロナ禍の影響により、10代で自ら命を絶ってしまう子どもや不登校児が増えている今だからこそ「今やらなかったらいつやるんだ。思い切ってやろう」と決心し、かねてより考えていた活動ができる団体を発足しました。

春日市で活動をはじめたきっかけは

鹿児島から福岡に引っ越すタイミングで、鹿児島の知人から久留米市で慈善活動をしている方を紹介していただきました。さらに、その方から、春日市でまちづくり活動をしているHARUHIbaseを紹介していただいたことが、春日で活動をはじめたきっかけです。皆さん、社会的弱者や地域の方々のために活動されている人たちです。人が人をつないでようやくずっと考えていた「不登校の子どもがいる家庭を支援する団体」を、この春日市で発足することができました。

どんな活動をしていますか

私たちの団体では2つの活動を行っています。

1つ目は訪問カウンセリングです。はじめは、不登校の子どもの居場所をつくることを考えていましたが、子どもの不登校で悩む保護者から「居場所はすでにたくさんある。しかし、その場所へ行くことができない。家から出られない子どもたちのために、家に来て話を聞いて欲しい」という声があり、訪問カウンセリングを始めました。家庭を訪問して、子どもだけでなく、その保護者の心もケアできるよう、想いや話を聞いています。保護者の中には子どもの不登校を恥ずかしいと思っている人も多く、周囲に秘密にしているため誰にも話せず苦しんでいることが多々あります。そんな時に、私たちが訪問し話を聞くことで、少しでも心が軽くなればと思っています。

また、「お母さん」という存在は、子どもの心に大きな影響を与えます。お母さんが悩んだり苦しんだりすると、子どもも精神的に不安定になります。逆に、お母さんが笑顔であれば、子どもも元気に笑顔でいられます。子どもが元気に笑顔でいられるために「子どもよりもまずはお母さんのケアが必要だ」と考えており、子どもが学校に行かなくて悩む保護者の皆さんに、まずは「大丈夫だよ」と伝えたいです。

2つ目は子どもの「好き」を見極めて「<楽しい>の達人」につなぐ活動です。カウンセリングを繰り返す中で、子どもと一緒に「好きなこと」を見つけ、その「好きなこと」を得意とする達人から教えてもらう機会を作っています。家庭を訪問したり、子どもが達人を訪問したりして、楽しい体験を繰り返していきます。達人には、プログラマーやパティシエなど様々なジャンルの人がいます。初めは、支援者や指導員という名称にしようとしていましたが、「それって学校色じゃないか」、「学校に行かなくてもいいと言っているのに学校っぽい名前はどうなのか」などの意見が出ました。学校色を排除し、「達人」という名称にしているので、より身近に感じていただけるのではないでしょうか。

「<楽しい>の達人」が子どもにピアノを教えている写真
「<楽しい>の達人」にピアノを教えてもらっている様子

今後の目標を教えてください

現在、春日市と大野城市にボランティア団体として登録をしており、いずれは福岡県全域をカバーできるようにしていきたいと考えています。そのためにもカウンセラーや「<楽しい>の達人」として活躍してくれるメンバーを増やし、たとえ子どもが学校に行かなくても、まずはお母さんを笑顔にすることで、子どもも笑顔になってくれるように色んな家庭をサポートしていきたいです。

現在の「<楽しい>の達人」は、子どもたちが興味を持ってくれそうなことを教えてくれる人ですが、これからはお母さんたちが興味を持ってくれそうなことを教えてくれる達人も募集していきたいと考えています。お母さんが子どものことだけに集中してしまうのではなく、何か別のことに熱中する姿を子どもに見せることができればいいなと思っています。

他にも拠点を作って居場所を提供したり、NPO法人化したりして、多くの人に認めてもらえる団体にしていきたいです。

私自身の目標としては、認定心理士の資格を取りたいと思っています。現在仕事をしながら大学に通っているのでとても大変ですが、資格を取れるように勉強を頑張りたいと思います。

皆さんにひとこと

永野マミさんの写真
永野(ながの)さん

悩みごとや不安なこと、ささいなことで構いません。子育てのことでなくても夫婦間の悩みなど、気軽に相談してください。心を込めて聞かせていただきます。

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