第1章 まちづくりの基本方針
ページ番号1011638 更新日 令和5年2月15日
1 まちづくりの理念と目標
全国的な人口減少時代の本格的到来の中で、福岡都市圏の住宅都市として発展してきた本市においても、今後、人口は緩やかに減少していく⾒込みであり、本市及び福岡都市圏の地域活⼒を⻑期的に維持・ 向上していくためには、戦略的に本市の人口増加と人口流出抑制を図ることが求められています。
また、グローバル社会の中で、その一端を担う地方自治体として、本市の持つ個性と魅⼒を活用しながら持続可能なまちづくりを実現していくことも求められています。
本計画では、これらの社会情勢を踏まえつつ、本市が今後 20 年間のまちづくりを進めるに当たっての将来ビジョン(まちづくりの理念)とその理念を実現するための目標を以下のとおりに定め、本市の都市機能、都市施設及び都市環境を総合的に整えていくものとします。
まちづくりの理念
~福岡で最も「住みよい」都市づくり~
人と地域をつなぐ 機能的でこころやすらぐまち かすが
まちづくりの目標
(1)住みたい・住み続けたいと思うまちづくり
- 市⺠が主体となり住みよい環境を創造するまちづくり
- 春日らしさを持ち、潤いと豊かさを実感できるまちづくり
- 魅⼒的なまちの「顔」を持つ、賑わいがあり便利なまちづくり
- 誰もが快適に移動できるまちづくり
- 安全に安心して住み続けることができるまちづくり
(2)多様な世代の需要に対応した定住環境づくり
- 高齢者が安心して生活できるまちづくり
- 子育て世代が住みやすいまちづくり
- 公共交通の利便性の高さを活かしたまちづくり
- 多様な人々のライフスタイルに対応できるまちづくり
1-1 住みたい・住み続けたいと思うまちづくり
(1)市民が主体となり住みよい環境を創造するまちづくり【コミュニティ】
現状でも多くの市⺠が「住み続けたい」と感じている中で、市⺠主体によるまちづくり活動等の維持・促進により、満足度と愛着度のさらなる向上を図ります。また、良好な地域コミュニティの 維持・向上により、安心して生活できる環境の形成を図ります。
(2)春日らしさを持ち、潤いと豊かさを実感できるまちづくり【住宅地】
弥生文化をはじめとする歴史的資源を教育・交流の場として活用するほか、歴史性を感じる市街地環境の形成を図ります。また、市域南部におけるため池や緑地を活用し、水と緑の豊かさを実感できる環境づくりを進めるほか、現在のゆとりある住宅地の環境の維持を図ります。
このほか、市内や周辺に立地する大学をはじめとする教育施設や交流施設・医療福祉施設等が充実しているメリットを活かした良好な住宅地の環境の維持・向上を図ります。
(3)魅力的なまちの「顔」を持つ、賑わいがあり便利なまちづくり【まちの顔、商業地】
⻄鉄春日原駅周辺地区は、本市の「顔」にふさわしく、「住んでみたい・住み続けたい」と感じる商業空間づくりを進めます。駅前広場等の公共空間整備と連携し、エリアマネジメントを活用した魅⼒的な店舗の誘導やオープンスペースの活用提案等、居心地がよく歩きたくなるウォーカブルなまちづくりを官⺠連携で取り組みます。
幹線道路沿道に形成されている既存商店街については、最寄りの商業地として商業機能の維持・向上を促進します。
(4)誰もが快適に移動できるまちづくり【交通環境形成】
都市計画道路の整備、公共交通の利便性向上、自転車利用環境の向上及び新たな交通手段の研究等の複合的な交通環境対策により、本市の重要課題の一つである交通渋滞の緩和を図り、誰もが快適に移動できるまちづくりを進めます。
(5)安全に安心して住み続けることができるまちづくり【安全・安心】
近年、増加傾向にある自然災害に対して、雨水幹線整備をはじめとする治水対策や土砂災害対策等を図り、安全に安心して住み続けられる住環境を確保します。また、防犯設備等の充実を図り、犯罪の起きにくいまちづくりを進めます。加えて、市⺠と協働して、地域の防災⼒、防犯⼒の向上に資する取組を適切に行います。
1-2 多様な世代の需要に対応した定住環境づくり
(1)高齢者が安心して生活できるまちづくり
既存住宅のバリアフリー化や耐震化の促進を図るほか、生活利便性の高い地区での高齢者向け住宅の適切な確保を図ります。また、住替え意向に対応した制度づくり(⼾建て住宅から高齢者向け住宅への住替えを支援する制度等の整備)を検討します。
(2)子育て世代が住みやすいまちづくり
本市の魅⼒を最も強く感じていると考えられる子育て世代の定住促進を図るため、子育て世代向けの住宅の確保を図ります。空き家の活用や高齢者の住替え支援制度により、子育て世代が入手しやすい住宅の立地誘導を促進します。
(3)公共交通の利便性の高さを活かしたまちづくり
鉄道駅に比較的近い区域は、高齢者から若者まで多様な住宅需要に対応することにより、定住の促進による地域の活性化を図ります。また、定住を促進するために、土地・建物の利用効率化(容積率や建築物の高さの柔軟な対応等)を図ることを検討します。
(4)多様な人々のライフスタイルに対応できるまちづくり
これからの社会環境の変化や多様な人々のライフスタイルを⾒据え、駅前や近隣商店街等の身近な街なかで、魅⼒的な都市生活を送ることができる空間づくりを検討します。
また、春日公園や白水大池公園等の日常の余暇活動を楽しむことができるゆとりある空間のさらなる充実を図ります。
加えて、日常生活の中で、これらオープンスペースを柔軟かつ効果的に活用することができるように、ネットワーク環境の整備等の取組みもあわせて検討します。
なお、これらの取組と並行して、ユニバーサルデザインの考えのもと、障がい者をはじめ誰でも気軽に外出できる環境整備をハード・ソフト両面から推進します。
2 将来都市構造
(1)市民生活サービスの中心になる拠点形成
中心拠点
- 西鉄春日原駅周辺の商業地は、本市の中心地であり、「まちの顔」にふさわしい魅力的で利便性の高い商業地を形成します。
- 「福岡で最も住みよい都市」の玄関口及び中心商業地として、魅力ある駅前空間(景観)の形成と生活に豊かさを与える商業機能の集積を図ります。
地域拠点 (駅前拠点)
- JR 春日駅、JR 大野城駅、JR 博多南駅、JR 南福岡駅、西鉄雑餉隈駅及び西鉄白木原駅周辺は、鉄道駅に近接する利便性を生かしつつ、近隣市と連携して既存の商業集積の維持・充実を図り、市民の生活サービスの拠点形成を図ります。
- JR 南福岡駅については、本市側からのアクセス利便性の向上(送迎広場の確保等)を図ります。
生活サービス拠点
幹線道路沿道に形成されている既存商業地(商店街)や大型店舗地は、現在の商業機能の充実により地域住民の生活サービス地としての拠点形成を図ります。
市民活動、交流拠点
春日市ふれあい文化センター、総合スポーツセンター周辺は、各種公共施設が集積していることから、市民生活の活動の拠点として利便性の維持・向上を図ります。
行政拠点
春日市役所、クローバープラザ、春日警察署周辺は、市民サービスに関する各種行政施設が集積していることから、行政サービスの拠点として利便性の維持・向上を図ります。
(2)拠点や都市機能を結ぶ連携軸の設定
広域連携軸
(都)福岡筑紫野線、(都)長浜太宰府線、(都)那珂川宇美線、(都)井尻姪浜線、(都)井尻粕屋線、(都)福岡前原線は、福岡都市圏の機能連携を担う広域的な交通軸と位置付け、道路交通の円滑化を図ります。
地域連携軸
(都)大土居下の原線、(都)光町大土居線、(都)筒井小倉線、(都)現人橋乙金線、主要地方道大野城二丈線、主要地方道福岡早良大野城線の一部は、 本市の東西及び近隣市の地域拠点を結ぶ交通軸と位置付け、道路交通の円滑化を図ります。
※ (都)・・・都市計画道路
(3)住みよいまちを実現する居住ゾーン形成
都市型居住ゾーン
鉄道駅に比較的近い区域は、福岡都心部へのアクセス利便性の高さと商業集積(生活サービスの利便性)を活かして、マンションから戸建て住宅まで多様な居住の需要に対応した居住ゾーンを形成します。
中央居住ゾーン
本市らしさを活かした3つの居住ゾーン(都市型居住ゾーン・歴史文化 居住ゾーン・水と緑の居住ゾーン)に囲まれ、本市のほぼ中央に位置する区域は、本市の魅力である「歴史・自然・文化・スポーツ」の要素のすべてを持つことから、今後も市民活動交流拠点を中心に、その魅力と利便性を活かした居住ゾーンを形成します。
歴史文化居住ゾーン
市北部は、住宅地域内に多数の歴史的資源が点在し、調和のとれた環境が形成されていることから、今後も歴史文化を感じる落ち着いた居住ゾーンを形成します。
現状の比較的静かな環境の維持を図りながら、防災性の向上と歴史性を活かした空間形成等を図ります。
水と緑の居住ゾーン
市南部は、ため池と公園・緑地に恵まれた、本市を代表するゆとりのある住宅地が形成されています。
大型店舗も近接しており、自然の豊かさと生活利便性が両立した福岡都市圏内でも有数の良好な居住ゾーンを形成します。
(4)春日らしさを活用・演出するシンボル軸設定
主要生活シンボル軸
(都)大土居下の原線、(都)光町大土居線、(都)筒井小倉線は、市内の3つの鉄道駅である「西鉄春日原駅・JR 春日駅・JR 博多南駅」へのアクセス軸であるほか、本市の主要な施設を東西に結んでおり、市民生活の中で最もシンボル性の高い交通軸として位置付けます。
交流シンボル軸
中央居住ゾーンの幹線道路は、市中央部の回遊軸であり、市内の各拠点や資源をネットワークする骨格を形成していることから、市民の交流活動を支えるシンボル性の高い交通軸として位置付けます。
水と緑のシンボル軸
水と緑の居住ゾーンの幹線道路は、福岡都市圏内でも有数の良好な居住ゾーンにふさわしい緑豊かで快適な交通軸を形成します。
歴史文化のシンボル軸
歴史文化居住ゾーンの幹線道路は、歴史的資源等にアクセスする骨格を形成していることから、歴史文化を感じる交通軸を形成します。
市民活動シンボル軸
市中央部の(都)小倉紅葉ヶ丘線、ふれあい通り(春日市道1級第5号路線)は、市民活動交流拠点へのアクセス軸として、シンボル性の高い街路空間を形成します。
※ シンボル軸は、案内板や歩行者空間及び沿道等のシンボル性確保を図るとともに、主要な歩行者・自転車動線として位置付けます。
将来都市構造図
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