諸岡川(3)

ページID:1010916  更新日 令和5年12月5日

諸岡川(もろおかがわ)は浦の原(うらのはる)を起点にすると大土居、昇町、須玖、岡本、日の出町、桜ケ丘を通り、約6.6km先にある春日北中学校付近で春日市を抜け、福岡市に流れていきます。春日市と福岡市の境界にある精華女子短大正門右手の橋のたもとに標識がたっています。それには諸岡川起点とある。確かに水路があり、短大裏のJR鹿児島本線の手前で、現在の諸岡川に流れ込んでいます。

どうして別のところに諸岡川起点の標識があるのか。春日市史によると「明治中期ごろまで諸岡川は春日丘陵の東側の光町・宝町・陸上自衛隊敷地内を流れ、精華女子短大北側までが本流とされ、丘陵の西側は支流とみられていた」とある。

では、かつて本流であった川は、今どうなっているのか。この川は、春日市と福岡市の境界に沿って流れているため、境川(さかいがわ、ヘチゴ川とも言う)の名前で知られ、今は池田水路と言われているようです。現在、水路は陸上自衛隊福岡駐屯地の東側の端まで確認できるが、それから上流は暗渠(あんきょ)になって(覆われて)いて見えません。実際は、道路の下を流れて航空自衛隊春日基地の手前、宝町3丁目と光町1丁目で再び顔を出し、若葉台西の丘陵の方へ伸びているのがわかります。

この水路とは別にもう一つ支流があります。大牟田池や須玖新池などを水源とする流れ。紅葉ヶ丘東、ちくし台、若葉台西を通り、ふれあい文化センター東側駐車場の横を流れて自衛隊福岡病院の敷地に入る。そして、県道福岡・早良・大野城線の中央分離帯の下を通り、陸上自衛隊福岡駐屯地の中を横断、日の出町公民館前の道路の下をまっすぐ北へ伸びて諸岡川に流入しています。

最後に、諸岡川は春日市を離れてどう流れているのか。福岡市に入ると、精華女子短大裏から約4km先の博多区那珂と東那珂の間に架かる那珂大橋の下で御笠川(みかさがわ)と合流。そして、そこから約5.5km先の博多湾に注いでいます。牛頸山塊(うしくびさんかい)で生まれた水は、奴国王墓がある春日丘陵や国指定史跡・板付遺跡の近くを通り、更に博多の新しいシンボル「博多千年門」が誕生した承天寺(じょうてんじ)と、栄西(えいさい)が開山した聖福寺(しょうふうくじ)の裏を流れています。諸岡川は私たちに歴史とロマンを感じさせる川と言えます。

春日市郷土史研究会 小林 昌一(こばやし しょういち)

(市報かすが 平成26年10月15日号)

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