諸岡川(1)

ページID:1010912  更新日 令和5年12月8日

春日市には3つの川があります。市内の東側を牛頸川(うしくびがわ)、ほぼ中央を諸岡川(もろおかがわ)、そして西側を川久保川(かわくぼがわ)が南から北へ流れています。しかし、「牛頸川は分かるが、他の二つは知らない」と言う人が多いと思うので、今回は諸岡川を取り上げ、まず水源から話をします。

白水大池公園には市民の皆さんであれば、一度は行ったことがあるかと思います。白水池は諸岡川最大の水源池と言えます。しかしながら、白水池と密接に関係し大切な機能を果たしている水源が他にもあります。

大野城市月の浦(つきのうら)にあるドンポ池。この池は、新しい住宅や大型ショッピングセンターが次々に誕生している星見ケ丘の近くにあります。ナギの木苑前の道路を月の浦へ向かう三差路を右折すると、すぐ右手に見える池がそうです。

白水池とは比較にならない小さな池ですが、よく見ると、道路から入った山側の斜面下に絶えず水が流れ込んでいる場所があります。これは、牛頸山塊(さんかい)に降った雨が伏流水(ふくりゅうすい)となって池に流入しているからです。

また、月の浦を流れる平野川(ひらのがわ、牛頸川の支流)からも取水した水が流れてくるようになっています。秋の彼岸から春の彼岸の間、白水池の水をもらえる取り決めが昔からあるためです。

ドンポ池を出た水は道路下の水路を通り、白水大池公園ちびっ子広場近くの雨水貯留施設(長添池、ながそえいけ)に入り、ここから白水池へ流れ込みます。一方、池の道路側の水門を開けると諸岡川へ流れていくようになっています。

白水池に入った水はどのようにして諸岡川へ流れていくのでしょう。池の北側の端に取水塔があります。毎年6月に田植えの日取りが決まると取水塔の水門が開けられます。水門を出た水は、近くにある定盤分水(じょうばんぶんすい)施設で須玖へ行く水と上白水・下白水へ行く水とに分かれます。

このうち須玖へ行く水が、大池公園東側を走っている県道(いけいけ通り)の下を横断し、大土居一丁目の毛勝児童センターに隣接した毛勝親水公園で諸岡川に合流します。また、池が満水の時には、取水塔反対側の余水吐け(よすいばけ)から溢れた水が、春日白水郵便局横の水路から、諸岡川へ流れ込む仕組みになっています。

春日市郷土史研究会 小林 昌一(こばやし しょういち)

(市報かすが 平成26年6月15日号掲載)

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