自立支援医療費および重度障害者医療費に関する住民監査請求(令和7年6月6日受付)
ページID:1016359 更新日 令和7年8月8日
地方自治法(昭和22年法律第67号)第242条第1項の規定に基づき令和7年6月6日に提出された春日市職員措置請求書による住民監査請求について、同条第5項の規定により監査を行いました。当該監査の結果について、同年8月4日に請求人に通知しましたので公表します。
第1 住民監査請求の受理
1 請求人
(略)
2 春日市職員措置請求書の提出日
令和7年6月6日
3 請求の要旨
請求人が提出した春日市職員措置請求書(以下「措置請求書」といいます。)、事実証明書などの内容から、請求人が主張する請求の要旨を次のように解しました。
- (1) 春日市(以下「市」という。)は、本来ならば、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号。以下「法」という。)第58条の自立支援医療費(更生医療に係るものに限る。以下同じ。)の支給により、市の重度障害者医療費の支出を削減できたにもかかわらず、自立支援医療費の支給要件を誤認し、申請者に対して誤った「自立支援医療(更生医療)をご利用の皆様へ」(以下「更生医療説明書」という。)の配付を行い、「重度かつ継続」(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行令(平成18年政令第10号。以下「政令」という。)第35条第1号に規定する高額治療継続者をいう。以下同じ。)の説明を怠るなどの結果、重度障害者医療費に係る無用な公金の支出を平成18年4月から現在まで行った。
- (2) 違法または不当な財務会計行為を行った者は、春日市長、地域共生部長、福祉支援課長、福祉支援課長補佐ほか担当職員(いずれも前任を含む。)である。
- (3) 請求人が「重度かつ継続」について問い合わせた際の福祉支援課長の対応から、市は、「重度かつ継続」に該当する申請者に対し「重度かつ継続」を非該当とする自立支援医療受給者証(以下「受給者証」という。)を交付しており不適切であること、自立支援医療費(国、県および市が負担)を支給すべきところ重度障害者医療費(県および市が負担)を支給していたこと、そして重度障害者医療費に係る無用な公金を支出する視点に欠けていたことが分かった。本来、重度障害者医療費として無用な支出となることは予測できることであったが、判明以降も過去の該当者の確認や調査を怠り、重度障害者医療費に係る無用な公金の支出について対処を怠っている。
- (4) 自立支援医療費の支給認定に係る申請者に対して配付されている更生医療説明書(証拠書類 甲第1号証の1)について、「重度かつ継続」の説明欄には平成18年3月28日付け厚生労働省告示第158号に見られる「医療保険の高額療養費多数回該当の場合」の文言が必須であり欠かせないが、欠落している。このような誤った更生医療説明書が、平成18年4月以降永年にわたり当該申請者に対して渡し続けられてきたと考える。
また、福祉支援課の職員は更生医療説明書の「重度かつ継続」の説明欄に高額療養費の記述があることを認識しておらず、当該高額療養費について申請者に説明や確認を行うことはなかった。 - (5) 「重度かつ継続」に該当する申請者について、誤って「重度かつ継続」を非該当とした受給者証を交付した場合、当該申請者に重度障害者医療費支給制度の適用があるときは、自立支援医療費は本来支給すべき額よりも減少する一方、重度障害者医療費は本来支給すべき額よりも増加する。自立支援医療費は県と市が4分の1ずつ負担し、残りの2分の1を国が負担する制度であり、重度障害者医療費は県と市が2分の1ずつ負担する制度である。そうすると、市が誤って「重度かつ継続」を非該当としたことで、自立支援医療費と比べ市の負担が大きい重度障害者医療費に係る無用な公金を支出することとなり、市に損害が生じたものである。
- (6) 以上のことから、次に掲げる措置を請求する。
- ア 「重度かつ継続」について、本来該当させるべきだが非該当となっている申請者がいないか、過去の記録を遡って調査し、市の損害を把握すること。
- イ アにおいて市の損害がある場合は、過誤調整を行うなど適切に対処し、公表すること。
- ウ アにおいて該当する申請者がいる場合は、重度障害者医療の適用関係を調査し、申請者が医療機関へ医療費の支払を行うに当たって不利益を被っていないか、市による補償が必要な申請者がいないか、調査確認すること。
- エ 本事案においては、福岡県も重度障害者医療費に係る無用な公金を支出することとなるため、福岡県に対して資料を添えて報告すること。
- オ 令和6年12月1日に改訂された更生医療説明書(証拠書類 甲第1号証の3)は間違いを訂正したものであることから、「令和6年12月1日版」の表記を「令和6年12月1日改訂」に改めること。
- カ 春日市長が請求人に対して交付した公文書(証拠書類 甲第2号証)は、本件損害に関して不当な回答をし、本件損害が判明したきっかけの一つである受給者証について不当な記述をした公文書であるため、取り消すこと。
- キ 請求人に交付された受給者証について、請求人には自立支援医療費以外の他の公費が適用されていることから、これを取り消すこと。
4 事実証明書
(1) 証拠書類(いずれも市が作成した文書の写し。以下同じです。)
- ア 甲第1号証の1
自立支援医療(更生医療)ご利用の皆様へ(更生医療の説明書R6.5.23時点) - イ 甲第1号証の2
自立支援医療(更生医療)ご利用の皆様へ(更生医療の説明書R6.7.16時点) - ウ 甲第1号証の3
自立支援医療(更生医療)ご利用の皆様へ(更生医療の説明書R6.12.1時点) - エ 甲第2号証
春日市長公文書(令和6年9月10日) - オ 甲第3号証
自立支援医療(身体障害者の更生医療)に係る報告書 - カ 甲第4号証
公費(重度障害者)医療費対象者の推移に係る報告書
(2) 証拠説明書(甲号証)
5 事実証明書(反論書と併せて追加提出されたもの)
(1) 証拠書類
- ア 甲第5号証の1
受給者証の再交付上申書 - イ 甲第5号証の2
起案文書(自立支援医療(更生医療)受給者証の支給決定内容の訂正に伴う関係医療機関に対するお詫びと依頼について) - ウ 甲第5号証の3
起案文書(自立支援医療申請に係る個人情報の例外利用について(依頼))
(2) 証拠説明書(甲号証)
6 要件審査
本件請求は、地方自治法(以下「自治法」といいます。)第242条第1項および第2項本文に規定する要件を備えているものと認め、監査を行うことを決定しました。
なお、請求人は、法(施行時の名称は障害者自立支援法)が施行された平成18年4月以降の行為について監査を求めていますが、監査の対象とする財務会計行為の範囲は監査を行う中で判断することとしました。
第2 監査の実施
1 監査の種類
自治法第242条に規定する監査
2 監査対象課
地域共生部福祉支援課(障がい福祉担当)
3 請求人による措置請求書の補正ならびに陳述および証拠の提出
陳述については、令和7年7月2日に請求人から希望しない旨の連絡がありましたので、実施していません。
令和7年7月8日に、請求人から補正書が提出されました。補正の内容は、実施日または終了日から1年が経過した財務会計行為について監査を求める場合の「正当な理由」(自治法第242条第2項ただし書)に関するものです。
また、併せて、「弁明書及び証拠書並びに反論書について」と題する文書が提出されました。当該文書には、監査対象課から提出される弁明書や証拠書類(以下「弁明書など」といいます。)について請求人へ提示してほしいこと、当該弁明書などについて請求人に反論の機会を与えてほしいことなどが記載されてありました。
4 監査対象課による弁明書および証拠書類の提出
監査対象課から、自立支援医療費に関する証拠書類として、令和7年7月2日にファイリング文書、同月15日に電子データが提出されました。
また、同月10日に、弁明書が提出されました。
5 請求人による反論書および証拠書類の提出
4のとおり提出された弁明書を請求人に送付したところ、令和7年7月22日に請求人から反論書および追加の証拠書類が提出されました。
6 監査の主な実施内容
- (1) 重度障害者医療費の支給状況の確認
- (2) 自立支援医療費の支給状況の確認
- (3) 自立支援医療費の支給認定状況の確認
第3 監査の結果(主文)
本件請求のうち、重度障害者医療費および自立支援医療費に係る公金の支出(本件請求日時点で支払済みのもの、かつ、当該支払日から1年を経過していないものに限ります。)に関する請求については理由がないものと認めましたのでこれを棄却し、その余については不適法ですので却下します。
第4 理由
1 関係法令など
本件請求に係る関係法令などは、次のとおりです。
(1) 自立支援医療(更生医療)制度
自立支援医療制度は、心身の障害の状態を軽減するための医療について、当該医療費の自己負担額を公費負担によって軽減する制度です(法第2章第4節ほか)。自立支援医療のうち18歳以上の身体障害者を対象とするものを更生医療といいます(政令第1条の2第2号)。自立支援医療費の支給を受けるためには、まず市町村の支給認定を受ける必要があります(法第52条)。支給認定を受けようとする障害者は、必要事項を記載した申請書に必要書類を添付して市町村に提出しなければなりません(省令第35条)。支給認定は、障害の状態からみて自立支援医療を受ける必要があり、かつ、世帯の所得状況などが政令で定める基準に該当する場合に行われます(法第54条第1項)。自立支援医療に係る自己負担額(負担上限月額)は、6段階の所得区分(生活保護、低所得1、低所得2、中間所得1、中間所得2、一定所得以上)に応じて設定されています。疾病、症状などから、または高額な費用負担が継続することから「重度かつ継続」に該当した場合は、中間所得1または中間所得2の対象者は自己負担額が軽減され、一定所得以上の対象者は自立支援医療費の支給対象となります(法第58条、政令第29条、第35条、附則第12条および第13条第1項)。「重度かつ継続」の要件のうち高額な費用負担の継続は、医療保険による高額療養費多数回該当の場合に該当するかどうかで判断されます(政令第35条第1号、厚生労働省告示)。自立支援医療費に係る費用は、市町村が支弁後、国が2分の1、県が4分の1を負担します(法第92条第3号、第94条第1項第2号、第95条第1項第2号)。
※ 省令とは、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則(平成18年厚生労働省令第19号)をいいます。
※ 厚生労働省告示とは、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行令第35条第1号の支給認定に係る自立支援医療について費用が高額な治療を長期間にわたり継続しなければならない者として内閣総理大臣及び厚生労働大臣が定めるもの(平成18年3月28日厚生労働省告示第158号)第1号をいいます。
(2) 春日市重度障害者医療費支給制度
市の重度障害者医療費支給制度は、重度障害者の保健の向上と福祉の増進を図ることを目的として、重度障害者の医療費の一部を支給する制度です(条例第1条)。同制度の対象者は3歳以上の重度障害者であり、重度障害者本人ならびにその配偶者および扶養義務者に所得制限があります(条例第3条)。重度障害者医療費は、医療保険において負担すべき額(療養の給付、高額療養費などの額)と国または地方公共団体が別に負担する額(いわゆる公費負担医療の額)の合計額が重度障害者の医療に要する費用(総医療費)に満たないときに、その満たない額に相当する額を支給するものです(条例第4条)。つまり、重度障害者医療費支給制度は、医療保険と公費負担医療を使用してもなお残る自己負担額を支給(助成)する制度です。重度障害者医療費の支給に当たっては、あらかじめ市長に申請し、受給資格の認定を受けなければなりません(条例第5条)。受給資格の認定を受けた場合は、重度障害者医療証(以下「医療証」といいます。)が交付されます(条例第6条)。医療機関を受診する際は、健康保険証などと併せて医療証を提示することで(条例第7条)、医療機関における窓口負担が条例で定める重度障害者医療に係る自己負担額に軽減されます(条例第4条、第8条)。重度障害者医療費に係る費用は、市が支弁後、県が2分の1を補助します(県補助要綱)。
※ 条例とは、春日市重度障害者医療費の支給に関する条例(昭和49年条例第23号)をいいます。
※ 県補助要綱とは、福岡県の重度障がい者医療費支給事業費県費補助金交付要綱をいいます。
2 前提事実など
本件請求に関し次の事実を確認しました。
(1) 重度障害者医療費の支払状況について
本件請求日時点で支払済みのもの、かつ、当該支払日から1年を経過していないものは、表1のとおりです。
診療年月 |
内容 |
金額(円) |
支払先 |
支払日 |
---|---|---|---|---|
令和6年4月 |
後期分 |
8,885,885 |
国保連合会 |
令和6年6月18日 |
令和6年4月 |
一般分 |
6,012,769 |
国保連合会 |
令和6年6月18日 |
令和6年4月 |
一般分 |
5,025,362 |
支払基金 |
令和6年6月20日 |
- |
一般分 |
435,578 |
申請者 |
令和6年6月28日 |
- |
後期分 |
823,306 |
申請者 |
令和6年6月28日 |
令和6年5月 |
一般分 |
5,669,611 |
国保連合会 |
令和6年7月18日 |
令和6年5月 |
後期分 |
8,941,053 |
国保連合会 |
令和6年7月18日 |
令和6年5月 |
一般分 |
5,069,153 |
支払基金 |
令和6年7月18日 |
- |
一般分 |
248,808 |
申請者 |
令和6年7月29日 |
- |
後期分 |
321,943 |
申請者 |
令和6年7月29日 |
令和6年6月 |
一般分 |
5,557,104 |
国保連合会 |
令和6年8月15日 |
令和6年6月 |
後期分 |
9,250,806 |
国保連合会 |
令和6年8月15日 |
令和6年6月 |
一般分 |
5,138,927 |
支払基金 |
令和6年8月20日 |
- |
一般分 |
359,798 |
申請者 |
令和6年8月28日 |
- |
後期分 |
716 |
申請者 |
令和6年8月28日 |
- |
後期分 |
459,334 |
申請者 |
令和6年8月28日 |
令和6年7月 |
一般分 |
6,275,144 |
国保連合会 |
令和6年9月18日 |
令和6年7月 |
後期分 |
8,773,795 |
国保連合会 |
令和6年9月18日 |
令和6年7月 |
一般分 |
5,643,180 |
支払基金 |
令和6年9月18日 |
- |
一般分 |
474,422 |
申請者 |
令和6年9月30日 |
- |
後期分 |
189,279 |
申請者 |
令和6年9月30日 |
- |
一般分 |
18,877 |
申請者 |
令和6年10月10日 |
- |
後期分 |
2,038 |
申請者 |
令和6年10月10日 |
令和6年8月 |
一般分 |
5,138,793 |
国保連合会 |
令和6年10月18日 |
令和6年8月 |
後期分 |
9,315,633 |
国保連合会 |
令和6年10月18日 |
令和6年8月 |
一般分 |
5,266,835 |
支払基金 |
令和6年10月21日 |
- |
一般分 |
178,457 |
申請者 |
令和6年10月28日 |
- |
後期分 |
289,302 |
申請者 |
令和6年10月28日 |
令和6年9月 |
一般分 |
5,533,573 |
国保連合会 |
令和6年11月14日 |
令和6年9月 |
後期分 |
9,217,216 |
国保連合会 |
令和6年11月14日 |
令和6年9月 |
一般分 |
5,082,111 |
支払基金 |
令和6年11月20日 |
- |
一般分 |
442,068 |
申請者 |
令和6年11月28日 |
- |
後期分 |
337,558 |
申請者 |
令和6年11月28日 |
令和6年10月 |
後期分 |
9,063,256 |
国保連合会 |
令和6年12月13日 |
令和6年10月 |
一般分 |
5,604,108 |
国保連合会 |
令和6年12月13日 |
令和6年10月 |
独自助成分 |
10,004 |
国保連合会 |
令和6年12月13日 |
令和6年10月 |
一般分 |
5,357,064 |
支払基金 |
令和6年12月18日 |
- |
一般分 |
140,530 |
申請者 |
令和6年12月26日 |
- |
後期分 |
311,184 |
申請者 |
令和6年12月26日 |
令和6年11月 |
一般分 |
5,305,794 |
国保連合会 |
令和7年1月17日 |
令和6年11月 |
独自助成分 |
11,917 |
国保連合会 |
令和7年1月17日 |
令和6年11月 |
後期分 |
8,559,264 |
国保連合会 |
令和7年1月17日 |
令和6年11月 |
一般分 |
5,255,095 |
支払基金 |
令和7年1月20日 |
- |
一般分 |
241,693 |
申請者 |
令和7年1月28日 |
- |
後期分 |
332,015 |
申請者 |
令和7年1月28日 |
令和6年12月 |
一般分 |
5,592,777 |
国保連合会 |
令和7年2月14日 |
令和6年12月 |
独自助成分 |
13,834 |
国保連合会 |
令和7年2月14日 |
令和6年12月 |
後期分 |
9,076,651 |
国保連合会 |
令和7年2月14日 |
令和6年12月 |
一般分 |
5,547,784 |
支払基金 |
令和7年2月20日 |
- |
一般分 |
345,220 |
申請者 |
令和7年2月28日 |
- |
後期分 |
415,275 |
申請者 |
令和7年2月28日 |
令和7年1月 |
一般分 |
6,090,181 |
国保連合会 |
令和7年3月14日 |
令和7年1月 |
独自助成分 |
13,000 |
国保連合会 |
令和7年3月14日 |
令和7年1月 |
後期分 |
8,349,184 |
国保連合会 |
令和7年3月14日 |
令和7年1月 |
一般分 |
5,184,590 |
支払基金 |
令和7年3月18日 |
- |
一般分 |
276,635 |
申請者 |
令和7年3月28日 |
- |
後期分 |
136,127 |
申請者 |
令和7年3月28日 |
令和7年2月 |
一般分 |
5,390,256 |
国保連合会 |
令和7年4月18日 |
令和7年2月 |
独自助成分 |
11,500 |
国保連合会 |
令和7年4月18日 |
令和7年2月 |
後期分 |
7,818,436 |
国保連合会 |
令和7年4月18日 |
令和7年2月 |
一般分 |
5,207,656 |
支払基金 |
令和7年4月21日 |
- |
一般分 |
598,728 |
申請者 |
令和7年4月28日 |
令和7年3月 |
一般分 |
6,061,269 |
国保連合会 |
令和7年5月16日 |
令和7年3月 |
独自助成分 |
13,417 |
国保連合会 |
令和7年5月16日 |
令和7年3月 |
後期分 |
8,587,392 |
国保連合会 |
令和7年5月16日 |
令和7年3月 |
一般分 |
5,823,681 |
支払基金 |
令和7年5月20日 |
- |
一般分 |
292,151 |
申請者 |
令和7年5月28日 |
※ 「-」は、複数の診療年月があるため、記載を省略したものです。償還払(現金給付)に係るものが対象になります。
※ 「診療年月」は、支払先が発行する請求書の表記に基づくものです。月遅れ請求分がある場合は、その他の年月が含まれます(表2においても同じです。)。
※ 「一般分」は後期分・独自助成分以外、「後期分」は後期高齢者医療の被保険者に係るもの、「独自助成分」は高校生以下の受給者に係る自己負担額相当額の助成(令和6年10月診療分から実施)に係るものをいいます。
※ 「国保連合会」は福岡県国民健康保険団体連合会、「支払基金」は社会保険診療報酬支払基金をいいます(以下同じです。)。
(2) 重度障害者医療費(現金給付分)に係る過誤対象者の調査について
表1に掲げている重度障害者医療費の支払のうち現金給付分(申請を受けて受給者に直接支払う医療費をいいます。以下同じです。)(表1で支払先が申請者となっているもの)について、自立支援医療費が関係するものがないか重度障害者医療費支給申請書などによって確認したところ、該当するものはありませんでした。
(3) 自立支援医療費の支払状況について
本件請求日時点で支払済みのもの、かつ、当該支払日から1年を経過していないものは、表2のとおりです。
診療年月 |
内容 |
金額(円) |
支払先 |
支払日 |
---|---|---|---|---|
令和6年4月 |
国保分 |
798,769 |
国保連合会 |
令和6年6月18日 |
令和6年4月 |
後期分 |
1,530,303 |
国保連合会 |
令和6年6月18日 |
令和6年4月 |
社保分 |
10,605,567 |
支払基金 |
令和6年6月20日 |
令和6年5月 |
国保分 |
1,011,777 |
国保連合会 |
令和6年7月18日 |
令和6年5月 |
後期分 |
1,422,422 |
国保連合会 |
令和6年7月18日 |
令和6年5月 |
社保分 |
9,715,048 |
支払基金 |
令和6年7月18日 |
令和6年6月 |
国保分 |
831,542 |
国保連合会 |
令和6年8月15日 |
令和6年6月 |
後期分 |
1,522,316 |
国保連合会 |
令和6年8月15日 |
令和6年6月 |
社保分 |
9,942,144 |
支払基金 |
令和6年8月21日 |
令和6年7月 |
国保分 |
761,315 |
国保連合会 |
令和6年9月18日 |
令和6年7月 |
後期分 |
1,691,510 |
国保連合会 |
令和6年9月18日 |
令和6年7月 |
社保分 |
11,908,826 |
支払基金 |
令和6年9月25日 |
令和6年8月 |
国保分・後期分 |
2,811,385 |
国保連合会 |
令和6年10月18日 |
令和6年8月 |
社保分 |
13,037,967 |
支払基金 |
令和6年10月21日 |
令和6年9月 |
国保分・後期分 |
2,670,602 |
国保連合会 |
令和6年11月18日 |
令和6年9月 |
社保分 |
9,489,001 |
支払基金 |
令和6年11月20日 |
令和6年10月 |
国保分・後期分 |
2,440,878 |
国保連合会 |
令和6年12月18日 |
令和6年10月 |
社保分 |
11,522,454 |
支払基金 |
令和6年12月18日 |
令和6年11月 |
国保分・後期分 |
2,348,956 |
国保連合会 |
令和7年1月15日 |
令和6年11月 |
社保分 |
10,388,617 |
支払基金 |
令和7年1月20日 |
令和6年12月 |
国保分・後期分 |
2,795,832 |
国保連合会 |
令和7年2月14日 |
令和6年12月 |
社保分 |
11,360,492 |
支払基金 |
令和7年2月20日 |
令和7年1月 |
国保分・後期分 |
2,583,915 |
国保連合会 |
令和7年3月14日 |
令和7年1月 |
社保分 |
19,611,734 |
支払基金 |
令和7年3月14日 |
令和7年2月 |
国保分・後期分 |
2,588,641 |
国保連合会 |
令和7年4月14日 |
令和7年2月 |
社保分 |
8,530,625 |
支払基金 |
令和7年4月21日 |
令和7年3月 |
国保分・後期分 |
2,311,285 |
国保連合会 |
令和7年5月16日 |
令和7年3月 |
社保分 |
11,339,248 |
支払基金 |
令和7年5月20日 |
※ 「内容」は自立支援医療費の受給者の医療保険を表し、「国保」は国民健康保険、「後期」は後期高齢者医療、「社保」はその他の医療保険(以下「社会保険」といいます。)をいいます。
(4) 自立支援医療費(現物給付分)に係る過誤対象者の調査について
表2に掲げる自立支援医療費はいずれも現物給付分(国保連合会または支払基金を通じて医療機関に支払う医療費をいいます。以下同じです。)であり、その支払の原因となった各受給者の受給情報を福祉支援課に求めたところ、市の障害福祉システムから抽出したデータの提供を受けました。当該受給情報には、各個人の受給情報と併せて、自己負担額(負担上限月額)を判定する際の所得区分の情報が含まれていました。そこで、「重度かつ継続」の判定の対象となる所得区分が中間所得1または中間所得2の受給者であり、かつ、「重度かつ継続」の判定が非該当である人を抽出したところ、該当者は4人でした。その内訳は、市国民健康保険の被保険者が1人、福岡県後期高齢者医療の被保険者が2人、社会保険の被保険者が1人でした。
市国民健康保険の被保険者1人と福岡県後期高齢者医療の被保険者1人については、「重度かつ継続」の判定に係る高額療養費多数回該当の有無について書面による確認ができませんでしたので、監査委員から春日市長(所管は国保医療課)に文書による照会を行いました。その結果、いずれも高額療養費多数回該当には該当していませんでした。
福岡県後期高齢者医療のもう1人の被保険者と社会保険の被保険者については、福祉支援課が、各医療保険の保険者(福岡県後期高齢者医療は市国保医療課。(5)において同じ。)に対し、高額療養費多数回該当の有無について文書による照会を行っていました。その結果、いずれも高額療養費多数回該当には該当していませんでした。
(5) 支給認定の申請に対し却下決定が行われたものに係る過誤対象者の調査について
自立支援医療費の支給認定の申請に対し所得区分が一定所得以上(自立支援医療に係る世帯の市町村民税所得割の合計額が235,000円以上である世帯)であるため却下決定が行われたものは、令和6年度に1件、令和7年度(本件請求日までのものに限ります。以下同じです。)に1件ありました。福祉支援課は、当該却下決定を行うに当たり、「重度かつ継続」の判定のため、各医療保険の保険者に対し、高額療養費多数回該当の有無について照会を行っていました。その結果、いずれも高額療養費多数回該当には該当していませんでした。
3 監査委員の判断
(1) 監査の対象について(違法性の承継)
措置請求書、補正書、反論書および各証拠書類などの内容から、請求人は、市長は法第58条の自立支援医療費の支給により、重度障害者医療費の支出を削減できたにもかかわらず、自立支援医療費の支給要件を誤認し、申請者に対して誤った更生医療説明書の配付を行い、「重度かつ継続」の説明を怠るなどの結果、自立支援医療費の支給認定において「重度かつ継続」の判定が正しく行われず、そのことが自立支援医療費の過少支給および重度障害者医療費の過大支給につながることで、自立支援医療費に比べ市の負担が大きい重度障害者医療費について無用の公金支出を平成18年4月から現在まで行ったと主張していることが認められます。
つまり、請求人は、本件請求において、重度障害者医療費に係る公金の支出という財務会計行為を監査対象としながら、当該財務会計行為である公金の支出自体の違法性について言及することなく、更生医療説明書の内容や「重度かつ継続」の説明、自立支援医療費の支給認定という非財務会計行為に違法性が存することをもって、これらの非財務会計行為に関連した公金の支出が違法であると主張しているものと解されます。
先行行為である非財務会計行為の違法性が後行行為である財務会計行為に承継され、当該財務会計行為が違法なものとなることについて、東京高等裁判所平成4年11月30日判決では原判決の理由説示が引用され「地方自治法242条の2第1項第4号の住民訴訟において、地方公共団体の執行機関又は職員がした財務会計上の行為自体に違法がある場合だけでなく、右行為とその執行機関又は職員がした当該財務会計上の行為の原因となる行為との間に一定の関係がある場合には、当該原因となる行為が違法であれば、当該財務会計上の行為も当然に違法となるものというべきであるが、右関係を緩やかに判断するならば、およそ公金の支出を伴う行政作用(このような行政作用が極めて広範かつ多岐にわたるものであることは明らかである。)であれば、その公金の支出の違法を争うことによって、その前提としての行政作用一般を争うことができるようになってしまい、住民訴訟の対象が財務事項に限定されているという原則に抵触することになることに鑑みると、右関係は、少なくとも、当該財務会計上の行為の原因となる行為が財務会計上の行為を適法に行うための要件となっている場合など前者が後者の直接の原因ということができるような密接かつ一体的な関係であることを要するものと解するのが相当である。」と判示しています。
そこで、本件請求について検討します。
重度障害者医療費と自立支援医療費の支給に当たっては、まずそれらの受給資格について市の認定を受ける必要があり、当該認定を受けると医療証(重度障害者医療)と受給者証(自立支援医療)がそれぞれ交付されます。医療機関を受診する際は、健康保険証などとともにそれらの医療証や受給者証を提示する必要があります。それらの提示を受けて診療などを行った医療機関は、診療報酬明細書などに重度障害者医療や自立支援医療に係る情報を記載し、これを審査支払機関(国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金)に提出します。審査支払機関は、診療報酬明細書などを基に重度障害者医療費や自立支援医療費を算定し、これらを市に請求します。
重度障害者医療費の支給の対象となる部分は、1(2)で述べたとおり、医療保険において負担すべき額と国または地方公共団体が別に負担する額(この額に自立支援医療費の額が当たります。)の合計額が重度障害者の医療に要する費用(総医療費)に満たない部分です。そうすると、自立支援医療費と重度障害者医療費は、それぞれの支給に当たって、一方が減少するともう一方は増加する、または一方が増加すると一方が減少するという関係にあり、互いの支給額に影響を及ぼす密接な関係であることが分かります。
また、自立支援医療費の支給について、その前提となるのは、自立支援医療費の受給資格を確認する行為である「支給認定」です。請求人が主張するように、誤った更生医療説明書を配付したり、「重度かつ継続」の説明を誤ったりした場合は、この支給認定において「重度かつ継続」の判定を誤る可能性があります。支給認定の内容を誤ると、誤った内容を記載した受給者証が交付されることとなり、その提示を受けた医療機関の診療報酬明細書などの記載、審査支払機関による自立支援医療費の算定と市への請求、ひいては市の自立支援医療費に係る公金の支出に影響を及ぼすことになります。このように、自立支援医療費の支給認定は自立支援医療費の支給(公金の支出)と密接な関係であるといえますので、先行行為(非財務会計行為)である自立支援医療費の支給認定が違法であった場合は、後行行為(財務会計行為)である自立支援医療費の支給(公金の支出)も違法と解すべきです。
したがって、本件請求においては、先行行為である自立支援医療費の支給認定と後行行為である自立支援医療費の支給ならびに自立支援医療費の支給と密接に関連する重度障害者医療費の支給を監査の対象とすることにしました。
なお、自立支援医療費の支給認定に関する監査は、医療保険による高額療養費多数回該当の場合に該当するときにおいて「重度かつ継続」の判定が正しく行われているかという観点から行いました。
(2) 監査の対象とする財務会計行為の範囲について
請求人は、平成18年4月から現在までの財務会計行為を監査の対象とするよう主張しています。住民監査請求の請求期間について定める自治法第242条第2項は、「前項の規定による請求は、当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過したときは、これをすることができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。」と規定されています。補正書などの内容から、請求人は、この「正当な理由」として次の二つの理由を主張していると解しました。
一つ目の理由は、平成18年以降に市が重度障害者医療費について無用の公金を支出したことで市に損害が生じているところ、その損害に係る処理の全てについて市が取り組み、終了しているか請求人は確認することはできないが、当該損害は現在も続いたままで、その処理・対応は済んでいないか、あるいは着手さえされておらず、市はその対応を怠ったままであると考えていることです。
二つ目の理由は、請求人が自立支援医療制度と春日市重度障害者医療費支給制度について知ることとなったのは令和6年5月に受けた医療行為がきっかけであり、平成18年から令和6年7月中旬までの間は、過去の年度を含めた無用な公金の支出について、請求人が気付く機会や知る方法はなかったことです。
まず、一つ目の理由について検討します。
本件請求において問題となっている財務会計行為は、重度障害者医療費または自立支援医療費に係る公金の支出であり、「怠る事実」ではありません。自治法第242条第1項は、普通地方公共団体の住民は違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担があると認めるとき、又は違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実があると認めるときは、監査を求め、必要な措置を講ずべきことを請求することができることを規定しています。「怠る事実」が問題となるのは、「公金の賦課若しくは徴収」と「財産の管理」に限られており、本件請求には当てはまりません。したがって、一つ目の理由は、「正当な理由」とは認められません。
次に、二つ目の理由について検討します。
自治法第242条第2項ただし書に規定する「正当な理由」の有無について、最高裁判所昭和63年4月22日判決では「普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査したときに客観的にみて当該行為を知ることができたかどうか、また、当該行為を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべき」であると判示されています。
請求人は、令和6年5月に受けた医療行為をきっかけとして自立支援医療制度と重度障害者医療費支給制度を知ったのであり、これまで過去の年度を含めた無用な公金の支出について知る機会や方法はなかったという理由を主張していますが、この理由は請求人固有の理由であると解します。最高裁が判示する基準は「普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査したときに客観的にみて当該行為を知ることができたかどうか」ということであり、重度障害者医療費または自立支援医療費に係る文書は情報公開制度における行政文書開示請求によって知ることができ、また請求人が内容を誤っていると指摘する更生医療説明書は福祉支援課の窓口において配付されており、さらに支給認定における「重度かつ継続」についてその要件は法令などで明らかにされているとともに申請者は交付される受給者証の内容からその判定結果を知ることができました。これらのことから、住民は相当の注意力をもって調査したときに客観的にみて当該行為を知ることができたと判断できるため、二つ目の理由についても、「正当な理由」とは認められません。
よって、本件監査の対象とする財務会計行為の範囲は、本件請求日時点で当該行為が行われており、かつ、当該行為があった日から1年を経過していないものとしました。すなわち、表1に掲げる重度障害者医療費の支払および表2に掲げる自立支援医療費の支払に係るものについて監査を行いました。
(3) 重度障害者医療費および自立支援医療費の支払ならびに自立支援医療費の支給認定について
- ア 重度障害者医療費(現金給付分)について
2(2)で述べたとおり、重度障害者医療費の支払のうち現金給付分については、自立支援医療費が関係するものはありませんでした。 - イ 自立支援医療費(現金給付分)について
表2のとおり、自立支援医療費の支払のうち現金給付分はありませんでした。 - ウ 重度障害者医療費および自立支援医療費(いずれも現物給付分)について
重度障害者医療費および自立支援医療費の支払のうち現物給付分については、2(4)のとおり監査した結果、自立支援医療費の支給認定において「重度かつ継続」(高額療養費多数回該当の場合に係る要件に関するものに限ります。以下同じです。)の判定を誤っているものはなく、当該支給認定は適切に行われていることが認められました。
よって、自立支援医療費の支払、そしてその影響を受ける重度障害者医療費の支払(いずれも現物給付分)について、適切に行われていることが認められました。 - エ 自立支援医療費の支給認定の申請に対し却下決定が行われたものについて
2(5)で述べたとおり、「重度かつ継続」の判定を誤っているものはなく、適切に行われていることが認められました。 - オ したがって、自立支援医療費および重度障害者医療費に係る違法または不当な公金の支出は認められません。さらに、自立支援医療費および重度障害者医療費について国や県と市の負担の違いから生じる市の損害についても認められません。
(4) 過去5年分の過誤調整について
弁明書には、自立支援医療費の支給に関し過誤調整が可能な過去5年分について調査を実施し、誤っていたものについては過誤調整に着手していること、その結果既に過誤調整済みのものが1件、現在処理中のものが1件あることが述べられています。
過誤調整済みのもの1件については、令和6年10月から同年11月にかけて行われていましたので、監査を行いました。国保連合会作成の公費負担医療受給者別一覧表(令和6年10月請求分)や公費負担医療過誤調整結果通知書(令和6年9月請求分)、福祉支援課作成の令和6年度障害者医療費国庫負担金実績報告書などを確認した結果、適切に過誤調整が行われていることが認められました。
また、当該過誤調整においては、重度障害者医療費が関係していましたが、国保連合会作成の公費負担医療過誤調整結果通知書(令和6年9月請求分)、国保医療課作成の令和6年度重度障がい者医療費支給事業費県費補助金実績報告書などを確認した結果、適切に過誤調整が行われていることが認められました。
なお、現在処理中のもの1件については、自立支援医療費の支払から1年が経過しているものであること、かつ、本件請求日時点で処理が完了していないことから、監査の対象外としました。
(5) 事務処理の改善について
弁明書には、令和6年7月の請求人からの指摘以降、自立支援医療に関する事務処理を見直し、適正化を行った旨が述べられています。
そこで、令和6年度および令和7年度の自立支援医療費の支給認定に関する起案文書を確認しました。その結果、令和6年10月以降の支給認定においては、所得区分が中間所得や一定所得以上に該当する申請について、医療保険の保険者(市国民健康保険と福岡県後期高齢者医療の場合は市国保医療課)に対し高額療養費多数回該当の有無を文書で照会し、当該照会結果を踏まえて、「重度かつ継続」の判定を正確かつ確実に行っていることが認められました。
(6) 更生医療説明書の表記について
請求人は、令和6年12月1日に改訂された更生医療説明書(証拠書類 甲第1号証の3)について、「令和6年12月1日版」の表記を「令和6年12月1日改訂」に改めるよう求めていますが、当該請求は一般的な行政事務に関するものであり、違法または不当な財務会計行為(本件請求においては公金の支出)に直接関係するものではないため、本件監査の対象外と判断しました。
(7) 春日市長が請求人に交付した公文書の取消しについて
春日市長が請求人に対して交付した公文書(証拠書類 甲第2号証)について、請求人はその内容が本件損害に関して不当な回答であることなどから取り消すよう求めています。
当該公文書は、市が請求人に交付した受給者証が適切な支給認定に基づくものであること、請求人に対する今後の市の対応とお願いについて記載したものです。
前者については、関連する(8)で述べます。
後者については、違法または不当な財務会計行為(本件請求においては公金の支出)に直接関係するものではないため、本件監査の対象外と判断しました。
(8) 請求人に交付された受給者証の取消しについて
請求人に交付された受給者証について、請求人には自立支援医療費以外の他の公費が適用され、自立支援医療費は支給されていないことから、請求人はこれを取り消すよう求めています。
住民監査請求の制度は、普通地方公共団体の財政の腐敗防止を図り、住民全体の利益を確保する見地から、当該普通地方公共団体の長その他の財務会計職員の違法若しくは不当な財務会計上の行為又は怠る事実について、その監査と予防、是正等の措置とを監査委員に請求する権能を住民に与えたものであると解されます(最高裁判所昭和62年2月20日判決)。そうすると、自立支援医療費以外の他の公費の適用があるという理由から請求人が自らに交付された受給者証の取消しを求める請求は、普通地方公共団体の財政の腐敗防止を図り、住民全体の利益を確保するという住民監査請求の趣旨にそぐわず、本件監査の対象外と判断しました。
(9)
以上のことから、監査委員の合議により、本件請求のうち、重度障害者医療費および自立支援医療費に係る公金の支出(本件請求日時点で支払済みのもの、かつ、当該支払日から1年を経過していないものに限ります。)に関する請求については理由がないものと認め、その余については不適法ですので、主文のとおり決定します。
第5 市長に対する意見
監査の結果、本件請求については理由がないと判断したところですが、自立支援医療費の支給のような給付事務については、その前提となる受給資格の認定が大変重要なものになります。最初に行う受給資格の認定を誤ると、その後の給付を誤る可能性が大きくなり、場合によっては、受給者に不利益などが生じたり、過誤調整に大きな労力がかかることになります。そして、他の給付が関係している場合は、請求人が主張するように、国や県と市の費用負担の違いから市の財政に影響を及ぼすことがあります。受給資格の認定を確実に行うため、法令で定められた受給資格の要件を正確に理解するとともに、関係する制度の理解を深め、申請があった際は的確な説明や確認を行うよう要望します。
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このページに関するお問い合わせ
監査委員事務局 監査担当
〒816-8501
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電話:092-584-1138
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