須玖タカウタ遺跡 把頭飾を作ったと考えられる土製鋳型を確認
ページID:1002231 更新日 令和4年8月2日
平成26年度に行った須玖タカウタ遺跡発掘調査で出土した遺物の整理を行う中で、土製鋳型の一つが、把頭飾(はとうしょく・剣の持ち手の飾り)の鋳型である可能性が極めて高いことを確認しました。この鋳型は、弥生時代中期前半・紀元前2世紀ごろのものです。把頭飾の鋳型であるとすれば、朝鮮半島を含めても出土例がなく、国内初となります。
出土した鋳型片は長さ3.5センチメートル、幅2.6センチメートル、厚さ2.7センチメートルで、鋳型全体の6分の1の大きさです。鋳型が完形品でなく、出土例がないため断定は難しいですが、把頭飾の台座の形状である楕円形と長方形のくぼみが鋳型面に確認できたため判断しました。また、鋳型片の一部は黒く変色しており、実際に青銅を流し込んで鋳造に使ったものと考えられます。
同遺跡の発掘調査では、多種多様な鋳型が出土しており、これまでも「日本最古級の銅戈の土製鋳型」や「国内最古の多鈕鏡の鋳型」など、特筆すべき発見がありました。
須玖タカウタ遺跡を含む「須玖遺跡群」は、弥生時代の「奴国」の中心地とされています。今回の発見は、日本で青銅器生産が始まって間もないころから、奴国では、高度な鋳造技術で多種多様な青銅器が生産されていたことを示すものであると言えます。




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