第3章 目標ごとの課題と取組
ページID:1005597 更新日 令和5年4月1日
障がいのある人が、住み慣なれた家庭や地域で生活を送るためには、さまざまな課題があります。行政のサービスだけでなく、本人や家族、地域(となり近所の人や自治会)、事業所(福祉事業所や社会福祉協議会など)に対して期待することについても書いています。
なお、この計画は長期的な行動計画であり、市がどのような考えのもとで、どのようなことをしていくのかを長い目で見た計画となります。具体的な取組については 、別冊の「行政の取組」に書いています 。
1 地域での生活
地域で生活していると、さまざまな困りごとや不安に思うことがあります。そのようなときに、気軽に相談する人がいない場合、困りごとが解決しないまま、ひとりで問題をかかえていかなくてはなりません。
地域のつながりは昔に比べるとうすくなっています。近所同士で普段から会話をしたり、困ったときに助けを求めたりする関係が無くなってくると、いざというときに地域で孤立してしまいます。
本人や家族に期待すること
困ったことがあればできるだけ早く、となり近所の人、市の窓口、民生委員・児童委員(生活や福祉などについて相談できる地域の人)などに相談して助けを求めるように心がけましょう。普段から、となり近所の人たちとつながりを持っておくとさらに安心です。
地域に期待すること
地域の人も、普段からとなり近所の人とあいさつや会話をするなどの関係をもっておくことで、いざというときに助け合うことができると思います。となり近所で気になる人や困っている人がいた場合、必要に応じて市の窓口や民生委員・児童委員に連絡してください。
事業所に期待すること
困りごとや不安がある障がいのある人の相談にのってください 。
行政が取り組むこと
たとえ身近に相談できる人がいなくても、市には相談できる窓口があります。何か困ったことがあれば連絡してください。耳に障がいのある人、目に障がいのある人など、どのような障がいがあっても相談できるように配慮しています 。
障がい者と家族の生活相談
朝8時30分から夕方5時まで
(土曜日・日曜日・祝日・年末年始はお休みです。)
電話:092-584-1127
ファクス:092-584-1154
メールアドレス:fukushi@city. kasuga. fukuoka.jp
障がいのある人が暮らしやすいように、さまざまなサービスを受けられるようにします。
また、サービスを受ける条件に当てはまらず、サービスを受けたくても受けられない人がいれば、別の方法を考えたり、解決方法がないか一緒に考えたりします。
2 健康に暮らすこと
生まれたときから障がいのある人も、生まれた後に障がいが生じる人もいます。どちらであっても、できるだけ早く、適切な対応をすることが大切です。特に、生活習慣から生じる障がいの場合は、予防が大切です。
障がいのある人の多くは、障がいのために健康面の問題をかかえています。また、長い間療養する(からだを休めて病気をなおすこと)場合は、精神的に疲れたり、お金がたくさんかかったりする状況になりがちです。
本人や家族に期待すること
お子さんの発達が気になったら、ひとりで悩んだりかかえこんだりしないで、小さなことでも身近な相談窓口に早めに相談しましょう。
地域に期待すること
病気を予防したり、病気を早めに見つけたりするために、身近な人と誘いあって健康診査に行きましょう。また、生活習慣病(糖尿病や脳卒中、がんなど)の予防に地域ぐるみで努めましょう。
事業所に期待すること
障がいのある人に健康づくりのための情報を提供しましょう。
行政が取り組むこと
障がいのある人の健康のために、障がい福祉サービスや保健サービスを提供します。 特に、障がいのある人が高齢になることで障がいの程度が重くならないよう、対応していきます。
また、障がいのある人が自立した生活をおくることができるよう、医療費の一部を助成します。
障がいにつながるような病気、特に生活習慣病を予防するための健康づくり、健康診査・保健指導をします。
難病(病気になった原因がわからず、なおりにくい病気)の人については、それぞれの難病に応じて配慮し、障がい福祉サービスを提供します。
発達が気になる子どもについては、健康診査などの結果をふまえて、なるべく早く療育(障がいのある子どものために行う医療と保育・養育)などに取り組み、適切な支援を行います。
3 学校や芸術活動、スポーツ
障がいのある、ないにかかわらず、すべての子どもが一緒に学校で学べることが大切です。しかしながら、現在の学校はどのような障がいのある子どもですべて受け入れらるような準備が整っているとはいえません。
一人ひとりの子どもの特性(その人ごとの性質)をふまえ、すべての子どもが共に学べる環境の整備に努めていく必要があります。
また、障がいのある人が芸術(絵や音楽などで自分を表現すること)、スポーツ、レクリエ ーションを行うための環境をつくっていくことも求められています。
本人や家族に期待すること
障がいのあることで自分がやりたいことをあきらめずに、積極的に勉強、教育、芸術、スポーツ、レクリエーションなどに取り組みましょう。
地域に期待すること
障がいのある人を地域のみなさんが理解して、障がいのある、ないにかかわらず、学んだり参加したりできるような取組を考えましょう。
事業所に期待すること
施設のスペースを利用し、障がいのある人の書いた絵などを、みんなに見てもらう機会をつくりましょう。
行政が取り組むこと
子ども一人ひとりの障がいの状態や教育を受ける上で必要なことに応じて、学校と本人・保護者間でよく話し合ってできるだけの配慮をします。
障がいのある人が、芸術、スポーツ、レクリエーションなどに取り組むことができるよう、環境づくりに努めます。
4 働くこと
障がいのある人が、その人の得意なことや、やりたいことに応じて働くことは、その人のやりがいになるだけでなく、社会の経済を活性化させることにつながるため、とても大切なことです。
働くことはすべての人にある基本的な人権です。働きたいと思うすべての人が、その人の意欲やその人にあった働く場所を保障されなくてはいけません。
本人や家族に期待すること
障がいのある人は、働くための力をつける機会を有効に活用しましょう。
地域に期待すること
働いてる障がいのある人の不安感を少しでも和らげるようにしましょう。
事業所に期待すること
障がいのある人が働くための相談を受けたり、情報提供を行ったりしましょう。また、障がいのある人に働くための力を付ける手伝いをしましょう。
行政が取り組むこと
働くことに関して、困りごとや不安がある人の相談に応じ、その人に必要な情報を提供します。また、関係機関と連携し、職場体験や働く場所について支援します。
5 住まいや生活する場所を良くすること
障がいのある人が安心して生活できる環境は、すべての人にとって安全で、便利で、快適な環境であるといえます。そのように考えれば、障がいのある人に対して配慮することが特別なことではないと分かります。
私たちは、障がいのある、ないにかかわらず、すべての人にとって暮らしやすいまちをつくっていく必要があります。
本人や家族に期待すること
普段の生活の中で不便に感じている場所や、段差などの危険な場所があれば、市の窓口や民生委員・児童委員などに伝えてください。
地域に期待すること
地域の中で、日ごろから不便な場所や危険な場所などに注意しておき、気づいた場所があれば、市の窓口などに伝えてください。
事業所に期待すること
事業所の利用者やその家族から相談を受けたり、事業所の周囲で不便な場所や危険な場所などの情報があれば、市の窓口などに伝えてください。
行政が取り組むこと
障がいがあっても、住みなれた地域で暮らすことができるように、生活する場所を使いやすくします。特に、市役所、公園、道路など、たくさんの人が使う場所を使いやすくします。
6 情報を伝えること
何か困った場合に、どうしたらいいのか分からないことがあります。
現在はたくさんの情報があることで、かえって大切な情報を受け取ることが難しくなっています。
その人がほしい情報を、必要なタイミングで受け取ることができるような、情報提供の仕組みが必要です。
目に障がいがある人や、耳に障がいのある人などは必要な情報を受け取ることが難しいので、特に配慮する必要があります。
本人や家族に期待すること
日頃の生活の中で不安なことや困ったことがある場合、自分の情報を伝えるようにしましょう 。
地域に期待すること
普段、生活するためには、さまざまな情報が必要です。情報を受け取ることができずに困っている人がいたら、その人に必要な情報を伝えましょう 。
事業所に期待すること
障がいのある人に必要な情報を届けることができるよう、配慮しましょう。
行政が取り組むこと
障がいのある、ないにかかわらず、すべての市民にとって可能な限り分かりやすく情報を伝える努力をします。特に市が提供するサービスについての情報は、そのサービスが必要な人に、必要とするときに伝わるようにします。
7 安全に暮らすこと
最近、全国各地で災害がおきており、多くの人が不安に感じていることと思います。
春日市内には福祉避難所(通常の避難施設での生活が困難な人のための施設)がありますが、災害がおこっても避難できる自信がない、または避難ができない障がいのある人も少なくありません。いざという時にできるだけ早く避難できるようにあらかじめ準備しておくことも大切です。
また、犯罪がおこらないように市や警察、地域などが協力し、だれもが安心して生活できるまちをつくっていく必要があります。
本人や家族に期待すること
いざというときのために、避難場所やそこに行くまでの道を確認しましょう。
また、近くの人に、災害がおこったときに手助けをお願いするなど、普段から声をかけあっておきましょう。
地域に期待すること
地域の中で普段から声をかけあって、災害に対する備えを進めましょう。地域のみなさんが参画できるような防災の訓練などを行いましょう。
災害がおこったとき、手助けが必要な人が安全に避難できるように、みなさんで協力しましょう。
事業所に期待すること
災害がおこったとき、市や関係団体と協力し、障がいのある人を助けましょう。
行政が取り組むこと
春日市では、災害がおこったときに手助けが必要な人の名簿を作成しています。災害がおこったときに手助けが必要な人が避難できるよう、地域の協力のもと、普段からしっかり対策をします。
8 障がいのある人の権利を守ること
障がいのあることで差別されたり、虐待されたりすることは決してあってはなりません。
障がいのある人が地域で安心して暮らすためには、権利擁護(その人が持つ権利を守り、大切にすること)にかかわる制度がとても大切になります。
本人や家族に期待すること
普段の生活の中で差別や虐待をされたと感じたときは、市の窓口や民生委員・児童委員、人権擁護委員(人権の相談を受けたり、人権の考えを広めたりする人)などに相談してください。
地域に期待すること
障がいのある、ないにかかわらず、みんなが安心して暮らすために、日ごろから差別や虐待のない地域づくりに努めましょう。
事業所に期待すること
障がいを理由に差別や虐待をすることは禁止されています。障がいのある人の権利を守るための相談にのってください。特に虐待については、すぐに市の窓口に伝えてください。
行政が取り組むこと
差別や虐待のない春日市を実現するために、これまでさまざまな取組を続けてきました。しかし、障がいのある人への差別や虐待がなくなったわけではありません。これからも、障がいのある人への差別や虐待をなくし、権利を守るための取組に努めていきます。
9 市役所や選挙などでの配慮
市役所で手続きをするときに、どこの窓口に行けば良いのか分からなかったり、してほしいことをうまく伝えられなかったりする場合もあります。
しかし、どのような障がいであっても、スムーズに手続きができなければなりません。
市役所で働く人は障がいのある人の立場にたって考えることが必要です。
本人や家族に期待すること
困りごとをひとりでかかえ込まずに、気軽に市役所を利用するようにしましょう。
もし市役所や選挙の投票所が自分にとって利用しにくかったら、市の窓口にそのことを伝えてください。
地域に期待すること
市役所や選挙の投票所が利用しにくいと相談があったら、市の窓口にそのことを伝えてください。
事業所に期待すること
事業所の利用者やその家族から市役所や選挙の投票所に改善すべき点があるとの情報があった場合、市の窓口にそのことを伝えてください。
行政が取り組むこと
障がいのある人が市役所で手続きをするときや選挙のときなどに必要な対応をします。
また、市役所で働く人はさまざまな障がいについて理解を深めます。
このページに関するお問い合わせ
福祉支援課 障がい福祉担当
〒816-8501
福岡県春日市原町3-1-5
市役所1階
電話:092-584-1127
ファクス:092-584-1154
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