春日市ワンヘルス推進宣言
ページID:1016541 更新日 令和7年10月1日
春日市は、人と動物の健康および環境の健全性を一体的に守り、先人から受け継いできた良好な住環境や生態系を次世代に継承していくため、令和7年10月1日に「春日市ワンヘルス推進宣言」を表明しました。
春日市ワンヘルス推進宣言
人は、古くから多様な目的のために動物を飼養し、自然からの恩恵を受けながら、生活を共にしてきました。
人獣共通感染症は、様々な開発行為による生態系の変化や気候変動などによって、人と動物との生存領域が変化したことにより、元々動物が持っていた病原体が人にも感染するようになったと言われています。
人獣共通感染症に対応するためには、本市域だけでなく、福岡県をはじめ広域的に様々な主体が、人と動物の健康と環境の健全性を一体のものとみなし、守っていくという「ワンヘルス」の理念に基づき取り組むことが求められます。
本市は、弥生銀座と呼ばれるほど弥生時代を中心とした多くの遺跡があり、伝統行事が継承されてきました。また、全国に先駆けて溜池保全条例を制定するなど自然環境を守る取組により、多くの溜池や公園がある緑豊かな住宅都市です。
本市においても、人と動物の健康及び環境の健全性を一体的に守り、先人から受け継いできた良好な住環境や生態系を次世代に継承していくため、福岡県等と連携し、ワンヘルスの理念に沿った取組を推進することをここに宣言します。
令和7年10月1日
春日市長 井上 澄和(いのうえ すみかず)
ワンヘルスとは
「人の健康」「動物の健康」「環境の健全性」を一つの健康と捉え、一体的に守っていくという考え方です。
今、地球上では、人口の増加、森林開発や農地化などの土地利用の変化、これらに伴う自然環境の悪化や地球温暖化などの気候変動の影響が生じています。そして、人と野生動物とが接触する機会が増加したことにより、新型コロナウイルス感染症など、人も動物も感染する「人獣共通感染症」が増えています。
私たちが健康に暮らしていくためには、地球に暮らす動物、そして地球自身も健康である必要があり、このワンヘルスの理念に基づく取り組みが世界的に広がることが期待されています。
ワンヘルス推進のための基本方針
福岡県は、令和2年12月に、全国に先駆けて「福岡県ワンヘルス推進基本条例」を制定しました。この条例において、ワンヘルスの実践の仕組みを作り、その活動を次世代につなげていくため、6つの基本方針が示されています。
1 人獣共通感染症対策
医療、獣医療をはじめ各分野と連携し、発生予防、まん延防止を図る
「人獣共通感染症」は、人と動物双方に感染する病気のことです。
新型コロナウイルス感染症や狂犬病、牛海綿状脳症(BSE)、鳥インフルエンザなど、国内外で大きな社会問題となった病気も多く、人の感染症の約60%を占めると言われています。
2 薬剤耐性菌対策
薬剤の適正使用を推進する
「薬剤耐性菌」とは、抗微生物剤が効かなくなってしまった細菌のことです。
この薬剤耐性菌による感染症が発生した場合、これまで効果のあった抗微生物剤が効かなくなるなど、治療が難しくなります。
3 環境保護
自然環境の保全を図る
生物多様性は、私たちの暮らしに様々な恵みをもたらすとともに、自然災害の防止や軽減にも寄与することから、その保全を図ることが重要です。
また、地球温暖化は異常気象の原因となるほか、生態系にも大きな影響をもたらすため、二酸化炭素の排出削減などの取り組みを強化していく必要があります。
4 人と動物の共生社会づくり
動物愛護の推進と野生動物の理解と共存を図る
私たちは、犬、猫、鳥などのペットや、災害救助犬、アニマルセラピーなど様々な場面で活躍する動物たちと共生しています。
人と動物との関係をより良く保つためには、動物の生態や本能、習性を理解し、ペットの衛生管理はもちろん、野生生物との棲み分けを図る必要があります。
5 健康づくり
自然や動物とのふれあいを通じた健康づくり
豊かな自然の中を散歩したり、動物と触れ合うことは、人を元気にする力があります。また、森林と触れ合うことは、人の健康に関して様々な良い効果があることが、科学的にも実証されています。
これからの健康づくりは、動物と環境との繋がりも一緒に考えていく必要があります。
6 環境と人と動物のより良い関係づくり
健全な環境下における安全な農林水産物の生産・消費、食育を推進する
健全な環境で育った家畜や農産物・水産物を食べることは、人の健康にも直結しています。
安全な米や野菜を作るためには、健全な環境や水を用意し、牛や豚、鶏などの畜産物が健康に育つためには、飼育環境や餌の安全性に配慮する必要があります。
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