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まちのひと

11月1日更新

人間は本来弱いもの
だからこそ、いたわりと思いやりの心を

民俗研究家 佐々木 哲哉(ささき てつや)さん(若葉台西)


 福岡県内の芸術文化などで活躍する個人・団体を表彰する「福岡県文化賞」。この社会部門の受賞者に、市内在住の佐々木 哲哉さんが選ばれました。民間伝承の調査・研究を続け、県内の文化振興に大きく貢献したことによる受賞です。

 佐々木さんは、「全く考えてもいなかったことで、戸惑いました」と受賞の感想を語ります。また、「今は若い人たちが、めきめきと力を付けてきています。そのような人たちがいる中で、私などが受賞していいものでしょうか」と、その言葉からは、佐々木さんの人柄がうかがえます。

 佐々木さんが民間伝承の調査・研究を始めたのは昭和30年ごろ。国語の教師として県内の高校に勤める傍ら、英彦山学術調査を開始。10年もの歳月をかけて、英彦山周辺の村々を訪ね歩きました。昭和40年代には、県内のさまざまなダム水没予定地の緊急民俗調査に参加。その調査内容は、どれも高い評価を受けています。

 その後も、福岡県文化財保護審議会専門委員となり、民俗文化財の指定に当たる一方で、文化庁による県内の民俗文化財緊急調査の企画・立案・調査の中心となるなど、数々の功績を残してきました。

 佐々木さんの自宅には、これまでに収集した本や調査カード、写真など、数え切れないほどの資料が所蔵されています。佐々木さんは、「高度成長に伴い、村落共同体を基盤とした伝統的な日本人の生活が失われていきました。それで、当時の民俗を風化させないために、無我夢中で資料を集めました」と話します。佐々木さんの民間伝承への強い思いが、莫大な資料の数にも表れています。

 「人間は本来弱いもの。だからこそ助け合いながら生きてきました。しかし、生活が豊かになったために、何でも一人でできるという錯覚に陥り、尊大になっているのではないでしょうか。いたわりと思いやりの心を持つ、本来の日本人に戻ってもらいたいものです」とメッセージを送る佐々木さん。現在は自宅で、これまで収集した資料を基に、執筆活動に専念しています。佐々木さんの、「大切な日本人の心」をよみがえらせる作業は、まだまだ続きます。

佐々木さんの写真

 

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