現在位置

  1. トップページ
  2. お知らせ一覧
  3. その他
  4. 古代史を塗り替える発見 須玖タカウタ遺跡


古代史を塗り替える発見 須玖タカウタ遺跡

最終更新日 平成29年8月31日

須玖南で発掘調査が行われた「須玖タカウタ遺跡」からは、弥生時代の貴重な青銅器の鋳型が多数発見されました。

その中でも、当時の技術力の高さを証明する希少性の高い鋳型について紹介します。

奴国の青銅器生産

弥生時代の春日市から福岡市一帯にかけては、中国の歴史書に記された「奴国」というクニがあり、春日市はその中心地であったと考えられています。

この一帯からは、日本でも当時の最先端技術であった青銅器生産に関する遺物が非常に多く出土しています。

しかし、奴国での青銅器生産の開始時期はよく分かっていませんでした。

平成26年に行われた須玖タカウタ遺跡の調査では、弥生時代中期前半(2150年前頃)の竪穴建物跡などから青銅器の鋳型が多く出土し、奴国では弥生時代中期前半から青銅器生産が始まったことが分かってきました。

多鈕鏡(たちゅうきょう)の鋳型が国内初出土

須玖タカウタ遺跡からは青銅器を作るための石製と土製の鋳型が複数出土しました。

このうち、石製鋳型の材料は朝鮮半島産の可能性がある滑石(かっせき)です。

石製鋳型は矛(ほこ)、剣、小銅鐸(どうたく)、鏡などたくさんあり、剣の鋳型には、他に例のない刃から持ち手の部分まで一度に作り出せるものもありました。

その中でも特に注目されるのが、日本で初めて出土した多鈕鏡の鋳型です。

多鈕鏡とは、鏡面の裏にひもを通す穴が開けられたつまみを2つ以上持つ鏡です。文様が粗い特徴から、朝鮮半島製の「多紐細文鏡」を模して国内で造られたと考えられます。

再現実験を行った一対となる銅戈の土製鋳型の写真

再現実験を行った一対となる銅戈の土製鋳型の写真


一対となる銅戈の土製鋳型。この鋳型をもとに再現実験も行った。

粗い文様の特徴がみられる日本で初めて出土した多鈕鏡の石製鋳型の写真
日本で初めて出土した多鈕鏡の石製鋳型。粗い文様の特徴がみられる。

土製鋳型も出土

九州では土製鋳型はほとんど出土がなく、2例目の発見になりました。鋳型の種類は矛(または剣)、戈(か)などがあり、一対になるものもありました。

また、把頭飾(はとうしょく)(銅剣の持ち手の飾り)鋳型の可能性がある鋳型も出土しました。

把頭飾は左図のように複雑な形をしているため、鋳型は、蝋(ろう)で原型を作り、その外側に鋳物土を付けて造ったのではないかと考えられています。

出土した鋳型は大変小さな破片であるため断定はできませんが、朝鮮半島でも見つかっていないことから、鋳造技術史からも非常に貴重な資料と言えます。

今回の発掘成果により、本格的な青銅器生産がいち早く春日の地で始まり、そしてこの青銅器生産による富の蓄積が奴国の繁栄を支える要因となったのではないかと考えられています。

把頭飾の模式図のイラスト
把頭飾の模式図

把頭飾鋳型の可能性がある土製鋳型の写真
把頭飾鋳型の可能性がある土製鋳型

企画展

平成29年度考古企画展 須玖タカウタ遺跡発掘調査成果展

銅矛、銅剣、銅戈、小銅鐸、鏡などの多種に渡る鋳型。これらの一級品を全て一堂に展示します。

土製鋳型、初公開です!入館は無料です。

[日程]

平成29年9月16日(土曜日)~10月29日(日曜日)

※ 休館日は、平成29年9月19日(火曜日)、10月17日(火曜日)です。

[会館時間]

午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

[会場]

春日市奴国の丘歴史資料館 特別展示室

考古企画展関連講演会

奴国における青銅器の生産と須玖タカウタ遺跡の意義
[日時]

平成29年9月30日(土曜日) 午後2時~4時

[講師]

柳田 康雄(やなぎだ やすお)さん(国学院大学客員教授)

[会場]

春日市奴国の丘歴史資料館 研修室

[定員]

各回70人(申込先着順)

鋳造技術からみる須玖タカウタ遺跡
[日時]

平成29年10月7日(土曜日) 午後2時~4時

[講師]

遠藤 喜代志(えんどう きよし)さん(鋳金家)

[会場]

春日市奴国の丘歴史資料館 研修室

[定員]

各回70人(申込先着順)

申込方法

電話かファックスで、開催日の1カ月前以降に、名前、連絡先を伝える

申込・問い合わせ先

春日市奴国の丘歴史資料館

電話:092-501-1144

ファックス:092-573-1077

講師紹介
[遠藤 喜代志(えんどう きよし)さん]

茶の湯釜の名品として名高い芦屋釜の復興に尽力し、約400年前に途絶えた芦屋釜の技術を復元。

弥生時代の青銅器鋳造技術に関する研究も行い、把頭飾や各種青銅器を復元し、材料や技法の解明を行う。

今回、須玖タカウタ遺跡から出土した銅戈の土製鋳型の再現実験を行い、春日市内の土でも土製鋳型の製作が可能であることを証明した。

[柳田 康雄(やなぎだ やすお)さん]

考古学者。

弥生時代~古墳時代の研究者で、青銅器・ガラス製品に関する論文も多数執筆。

弥生文化の解明において、遺跡と出土品を実証的に研究。

遺跡や遺物の詳細な観察と研究から、弥生時代に土製鋳型で造られた青銅器があることを論じ、須玖タカウタ遺跡の発掘成果は、これらの論を実証するものである。

弥生の里かすが 奴国の丘フェスタ2017

今年も奴国の丘で、体験広場や奴国ラリーなど、見て、聞いて、学べる、楽しいフェスタを行います。

また、シンガーソングライターの平松 愛理(ひらまつ えり)さんや、オカリナ奏者の和田 名保子(わだ なおこ)さんのコンサート、米すくい大会など親子で楽しめる盛りだくさんの内容です。

入場は無料です。詳しくは、9月15日号の折込チラシを見てください。

[日時]

平成29年9月23日(土曜日)・(祝日) 午前10時~午後3時

[場所]

春日市奴国の丘歴史公園、春日市奴国の丘歴史資料館

問い合わせ先

春日市奴国の丘歴史資料館

電話:092-501-1144

ファックス:092-573-1077